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耳を塞がない高音質イヤホン「Oladance Wearable Stereo(ウェアラブルステレオ)」レビュー

どんどん新しい商品が出て、ハードもソフトも激しく進化していくイヤホン界。

これを書いている2023年4月時点で、2022年に話題をさらったイヤホンのレビューはすでに古い感もあるのですが、「耳を塞がないイヤホン」の革命ともいえるアイテムに出会ったのでレビューします。

Oladance(オラダンス)という新しめのメーカーが販売する、「Wearable Stereo(ウェアラブルステレオ)」というもの。名前のとおり、耳に装着するステレオです。

耳に入れるのではなく、引っ掛ける。耳穴を塞がないのに超高音質。まるで耳の横にスピーカーを置いているような新感覚。最新のイヤホン体験をしてみたい方はぜひどうぞ。

「耳を塞がないイヤホン」──オープンイヤー型の時代

Oladance 20日本上陸

近年の「耳を塞がないイヤホン」合戦はすごくて、各メーカー実にいろんな商品を出しています。

骨伝導イヤホンといえば、で有名な「SHOKZ(ショックス)※旧Aftershokz」がオープンイヤー型を出してきたり、SONYのLinkBudsが大人気になったり、ambieのようなイヤカフ型も出てきたりと、進化がすごい。

「耳を塞がないイヤホン」というジャンルが出てきて久しいですが、私はもはやこれからの時代、こっちが主流になっていくと思っています。イヤホンは耳を塞ぐというのが常識だったけど、普通に考えて、耳の穴に入れて音を聞くってけっこうおかしい。

耳を塞ぐのは耳にも負担だし、環境音を遮断してしまう危険性もあるし、現代の形のイヤホンは廃れていくと思う。人類史上最も間違ったデザインでした(イヤホン嫌いすぎ笑)。

というのも、私は2年ほど前に、通常の耳に入れるタイプのイヤホンができない身体になってしまったんです。急に耳に異変が出るようになって。それ以来、骨伝導イヤホンを愛用しつつ、耳を塞がないイヤホンの新商品をウォッチしています。

今回紹介する「ウェアラブルステレオ」は2022年に発売されたものですが、今後もどんどん型にハマらない新しいものが出てくると思って期待しています。

新感覚の「Oladance Wearable Stereo(ウェアラブルステレオ)」

Oladance 11表

こちらがそのウェアラブルステレオ。手に持った感じ少し大きく、イヤホンというよりは「耳につけるステレオスピーカー」という感じです。

Oladance 1表裏

とはいえ重さはそこまでなく、見た目のわりには軽めです。特長はこんな感じ。

  • オープンイヤーイヤホン
  • 1 回の充電で最大 16 時間再生
  • 16.5mm ダイナミックドライバー
  • 快適な装着感
  • 完全な透明性
  • 防水性と耐汗性
  • 難聴を避ける
  • クリア通話
Oladance 19スペック

細かいスペックはこちらをどうぞ。

Oladance 23クラウドファンディング

Oladanceは2019年にオーディオ業界10年以上のベテランエンジニアたちにより設立されたメーカーが作った、第一号のイヤホン。2021年末に米国クラウドファンディングで約5,000万円の応援を集めたかと思うと、2022年には日本にも上陸。Makuakeでクラウドファンディングを行うと目標金額50万円のところ20000%でぶっちぎり、1億円以上のサポートを集める大ヒットとなりました(すごすぎる)。

「音質の良いイヤホンは当たり前となった現代で私たちだからこそできることは何か?」

を追求してブランドを立ち上げたOladance。生産は中国広東省の工場で行なっており、2022年には世界的に権威のあるドイツのデザイン賞「レッド・ドット・デザイン賞」を受賞しています。今最も勢いのあるオーディオメーカーといっても過言ではないかも。

Oladance 22デザイン賞

Oladance Wearable Stereoの特長

Oladance 2箱

そんなバケモノのような商品、箱はこんな感じの重厚感のある化粧箱。

Oladance 3開封 Oladance 18同梱物

同梱物はこんな感じとなっています。

  • プラグイン充電ケース(バッテリー非搭載)
  • Oladanceウェアラブルステレオ本体
  • Type-C充電ケーブル
  • クイックスタートガイド(説明書)

気をつけたほうがいいのは、ケースに入れてケーブルをつなぐことで充電できるのですが、ケース自体には充電機能がついていない点です。しかし本体だけでもフル充電からの連続再生16時間で、十分長い。

Oladance 4ケース

付属のケースはこんな感じでメガネケースを小さくした感じ。別売りケースを併用すると連続再生94時間になるという恐ろしい仕様です(聞いたことない数字)(詳しくは後述)。

Oladance 8オープン

つやつやしていて、かわいいです。ロゴマークもセンスありますね。

Oladance Wearable Stereoの特に気に入ったところ

数ヶ月使ってみて、個人的に特に気に入ったところを紹介します。

軽いつけ心地でかけているのを感じない

Oladance 12装着

着けてみた感じは、見た目よりも軽い!耳の形にもフィットして、違和感なく着けられました。

多数の点で重さを分散させる構造になっているらしく、これにより耳を圧迫することもなく、長時間つけていても疲れません。実際にテレカンで何時間も着けたまま過ごしてみたのですが、外したくなる感覚はほとんどありませんでした。

耳の中に入れないので痛くなることもない。オープンイヤーで外音も取り込むから、家の中であればずーっと着けっぱなしでも問題ないです。快適。

音質がよい!周囲の音もちゃんと聞こえる

Oladance 13ウェアラブルステレオ

オープンイヤー型で課題になるのが音質です。他メーカーの骨伝導イヤホンを持っているのですが、会話などには問題ないものの、音楽を聞くなどサウンドを楽しむのには物足りない音質だったりする……。

しかしこれはウェアラブルステレオと謳うだけあって、かなり音質がよい!耳の中に入れずにこの高音質が実現できる技術にはかなりびっくりしました。

Oladance 17特徴内部構造

従来のイヤホンでは直径5~8mmが一般的なところ、Oladanceは16.5mmの超大型ダイナミックドライバーを採用しています。さらに特殊技術のバーチャル低音再生技術、ダイナミックイコライザー技術などを搭載し、低音から高音までバランスの取れた音を実現。耳穴全体をカバーするハードの設計や音波を打ち消す技術により、鼓膜に直接音を届けられるようにしたことも音質に一役買っています。

ベテランエンジニア集団だから実現できたテクノロジー。音漏れも気にならないし、周囲の音もよく聞こえるのに、音楽などを聴いてもしっかり音質がよい。これはすごい。

16時間連続再生。テレカン用ヘッドセットにも向いている

Oladance 16特徴バッテリー

私がイヤホンを選ぶ上で重視するのが、連続再生時間。使いたいときに充電が切れてた〜とか絶対ダメだし、大事なテレカンの途中で充電が尽きた〜とかもあってはならないんです。でもテレカンって数時間続くこともあるので、かなり長めの連続再生時間がほしいところ。

その点Oladance Wearable Stereoはなんと、一般的なイヤホン(4.5時間)の約3.5倍にあたる最大16時間の超長時間再生が売りとなっています。音量の大きさにより多少の変動はあるものの、12時間ほど充電がもてば十分です。

たしかに、数ヶ月使ってみて充電で不便に感じることは一度もなかった。これは素晴らしいポイントです。

さらに、16時間でも十分長いのに、別売りの充電ケースを併用すると最大94.4時間再生できるらしい!どういうこと。異次元の長さでちょっとよくわからないけど、ずっと着けていても耳が疲れないオープンイヤー型イヤホンほど、充電持ちの恩恵は計り知れないです。

カラーバリエーションは4色。コンセプトが素敵

Oladance 14カラーバリエーション

色は4種類から選べました。

  • Interstellar Blue(ブルー)
  • Space Silver(シルバー)
  • Martian Orange(オレンジ)
  • Cloud White(ホワイト)

ネーミングがかっこいい。黒ではなく限りなく黒に近いネイビーだったり、白ではなくグレージュがかったオフホワイトだったり。シルバーに関してはミラーのようになっていて宇宙感があります。そこに突然のオレンジって、尖ってる。

私はInterstellar Blue(ブルー)を選びましたが、そこまで青々しさはなく、ブラックに近い極めて落ち着いたネイビーという感じ。ケースはほとんど黒に見えました。なかなかかっこいいです。

タッチやスライドの操作がけっこう便利

耳穴の横にくる部分の平らなところがタッチ操作エリアになっていて、ここをタッチまたはスライドすることでいくつかの操作ができます。

1回タップで音楽の再生・停止、通話への応答・終了、2回タップで次の曲へ、3回タップで音声アシスタント起動、など。スライド操作は音量調節になっています。

この割当は専用アプリから変更することもできます。タッチ感度がよく、使いこなすと便利だなと思いました。

完璧に見えるOladance Wearable Stereoのデメリット

Oladance 8オープン

明らかなデメリットはないように思いましたが、個人的には気になってしまった点がひとつあります。

それは、下を向くと落ちてきてしまったり、マスクとの相性がよくなかったりすること。これに関しては耳の大きさや形がとても影響するので、個人差があると思います。ただ少し感じたのは、男性の耳のサイズを基準に作られているのかなーということ。

私は女性にしては特別耳が小さいわけではないけれど、それでも下を向くと重さで落ちてきてしまい、完全に真下を向くとポロッと外れてしまいました。その意味で、運動中の装着もあまり現実的ではなさそうでした。

耳に引っ掛ける形なのでマスクとは干渉するし(装着順が大事)、メガネも上に乗っかるような形になってしまいますねー。

それから、オープンイヤー型なので当たり前ですが、電車やカフェなど雑音の多い場所では少し聞き取りづらいと感じました。いざというときのためのノイズキャンセリング機能が付いていたら最高なんですが、その技術はまだ先ですね。

Oladance Wearable Stereoは「音楽も聞きたい在宅ワーカー」におすすめ

というわけで、Oladance Wearable Stereoがおすすめなのはこんな人。

  • 基本的に家や室内で使用する
  • 長時間着けっぱなしにして使いたい
  • 外音も取り込み、ながら聴きしたい
  • テレカンが多く、人との会話に使う
  • 音楽や映画も高音質で楽しみたい

向いていないのはこんな人。

  • 激しい動きやランニング中に使いたい
  • ノイズキャンセリング機能が欲しい
  • 雑音の多い環境で使用することが多い
  • 小型イヤホンを好む
  • 音質にあまりこだわりがない

条件にあう人には、めちゃくちゃおすすめのイヤホンでした。

2023年4月時点で26,225円(Amazon価格)と安くはない価格ですが、現代においてイヤホンってほぼ毎日使うものだと思うので、そこの体験が快適になるのであれば投資は惜しまない派です。

新感覚の音に出会いたい人は、ぜひ試してみてください。

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