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「フリーランスになりたいけど不安で踏み切れない」人には、勇気よりも戦略が必要

イベントなどに参加すると、

「フリーランスになりたいけど、不安でなかなか踏み切れないんです…」

という人によく会います。

年上の方からも「若いのに勇気ありますね」とか言われて相談されてしまうのですが、そのたびに思うのは「勇気とかじゃないよな……」ということ。

「勇気」なんていう感情的なことよりも、論理的な「戦略」が必要です。

フリーランスになることへの“不安”を分解する

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不安で踏み切れない人は、何が不安なんでしょうか。まずは“不安”を分解してみましょう。

ほとんどの人にとっては、以下の3つに分けられます。

  1. 「お金」の不安
  2. 「つながり」の不安
  3. 「社会的評価」の不安

①「お金」の不安は一番大きいもの。安定収入を手放して、果たして食べていけるだろうか…、仕事がなくなったりしないだろうか…。経済面は不安ですね。

②「つながり」の不安は、組織から離れて孤独になることへの不安です。独立したら誰も助けてくれないから、ひとりで頑張らないといけない。心が負けてしまわないか、モチベーションが保てるか、心配ですよね。

③「社会的評価」の不安は、人からどう思われるかという部分です。家族や友人からの印象や、これまで仕事で関わってきた人たちからどんな評価をされるだろう。自分は会社の看板を失っても、社会に受け入れられるんだろうか……。

フリーランスになる前の不安って、だいたいこんなところかなーと思います。

 

戦略的にシフトすることで不安は減らせる

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「いいからとりあえず会社辞めちゃえ!そうすれば嫌でも仕事取る気になる」

とかいう人がよくいるのですが、私はそれはあまりよくないと思います。

「生活費を稼ぐこと」が第一目的になってしまうと、フリーランスの醍醐味もなにもないし、ただただ下請けとして目の前にある仕事をこなす生活が待っているだけだから。

フリーランスになりたい理由はなんだっけ?と考えると、それじゃあまり意味ないですよね。

会社員のうちから「お金」「つながり」「社会的評価」の不安を戦略的に減らしておけば、勇気に頼らなくてもスムーズなシフトが可能です。

 

「お金」の不安を減らすために

フリーランスになってから「お金」の心配をしてしまうと非常に消耗するので、戦略的に手を打っておきましょう。具体的には、

  • フリーになる前から副業として稼いでみる
  • 無収入でも1年生きられるくらいは貯金をする
  • 生活の固定費はとことん下げておく

などがおすすめです。

いきなりではなくじわじわと、まずは副業からはじめてみましょう。会社で副業が禁止されているという人は、とりあえず貯金をしましょう。なんだかんだ、100万200万だけでもあるだけで心持ちが違うので。

固定費をなるべく下げるため、スマホ料金や家賃を見直すのもおすすめです。極端に生活レベルを下げる必要はありませんが、フリーになると生活スタイルも変わると思うので、そのタイミングで削れるところは削っておくと◎です。

私はお金だけが理由ではありませんが、一旦実家に戻ったことで落ち着いた気持ちでスタートが切れたと思います。

 

「つながり」の不安を減らすために

孤独に負けないために私が実践した3つの方法を教えます。

  • 退職の伝え方と関係維持を工夫する
  • 社会人講座やコミュニティに参加する
  • 誰かと一緒に住む

退職=その会社との永遠の別れ、みたいに考えて独りで抱え込む人もいますが、もっとカジュアルに元いた会社とは縁を保ち続けるべきだと思います。

独立後に力になってくれそうな同僚には話をしておいたり、伝え方や伝える順番に気を配ったりすることで、退職してもつながりが保てます。辞めるからといって、プツッと縁を切る必要はありません。前職からも仕事をもらっている、というフリーランスは意外と多いですよ。

それから、社会人講座に通ったりコミュニティに参加したりして人脈を増やしておくことも有効です。会社以外にも所属をつくっていくと、孤独感の解消にもなりますね。

プライベートでは「誰かと一緒に住む」のもいいでしょう。家でひとりで仕事することが多くなると、孤独に押し潰されるリスクがあります笑 あえてシェアハウスに引っ越す、とかもおすすめです。

 

「社会的評価」の不安を減らすために

フリーランスになって、周りからどう思われるかーー。

この心配は非常に無意味です。フリーランスを「不安定だ」と見下すのはフリーランスになったことがない人だから。経験したことがなければわからなくて当然です。あまり気にしなくていいですよ。

それでも心配な人におすすめの解消法は以下のとおり。

  • 資格を取るなどしてスキルを証明する
  • とにかく稼ぐ
  • 周りを似たような人で固める

 

自分の作品があるタイプのフリーランスは実績を公開すればいいし、見せづらければ資格を取るなどして自分のスキルを証明しましょう。評価されていることがわかれば、バカにする人はいなくなります。

そして「社会的評価」の本質は意外と単純で、「収入」でだいたい解決したりします。フリーランスでも会社員以上に稼いでいれば、信頼されない理由はありませんので。とにかく稼ぐのも大切。

あとはフリーランスだらけの環境に身を投じてしまうこと。自分がマイノリティだから評価が気になるのであって、似たような人たちとつるんでいればそれが普通の世界になります。



私の場合は、具体的にフリーランスになることを考えはじめたのは退職する4ヶ月前くらいです。

それから徐々にこんな感じで少しずつシフトしていきました。思い切りが大切なときもあるかもしれませんが、各方面から保険をかけて戦略的に動くことで不安は減らせます。

じわじわといきましょう。

 

とはいえ、「フリーランスになりたい」という状態でいいのは1年まで

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いろいろと準備や戦略が大事だよーとは思いつつ、こういうことを言うといつまでも

「フリーランスになりたいんです」
「フリーランスになるための準備中です」

といって全然動き出さない人がいます。そんなに準備いるか……?

「フリーランスになりたい」という状態でいるのは、どんなに長くても1年までと決めたほうがいい気がします。だらだらと憧れだけが育ってしまうと、理想が高くなったりしてますます踏み切れなくなるから。

逆にそんなに準備に時間がかかるはずないので、1年経っても明確な理由もなしに「不安」で踏み切れないなら、どこかに解消すべき問題が残っている可能性が高いです。

フリーランスになるには何が必要なのか考えてみましょう。

 

フリーランスに必要なのは、高いスキルではない

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「フリーランスは何かの分野の専門家で、誰よりも高いスキルを持っていなければならない」

よく聞きますが、これは思い込み。

ライターなら、誰よりも上手い文章が書けないといけない?
エンジニアなら、世界を変えるようなサービスが作れないといけない?
デザイナーなら、誰もが絶賛する美しいデザインができないといけない?

そんなことは全然ありません。

万人に好かれる必要はないし、上には上が際限なくいるので、あまり実務的な部分でのスキルの高い低いは関係ないのかなーと思います。

もちろん専門性はあったほうがいいし、フリーランス=職人的なところもあります。

でもそれよりも、基本的なビジネスマナーと人間力。そして、自分を必要としてくれる場所を見つけてウマイこと入っていく能力が必要かも。

市場や時流を読む嗅覚というか、マーケット感覚ですね。そのあたりはこの本がおすすめです。

 

あとは社交的にしていればチャンスは巡ってくるんじゃないでしょうか。

 

退路を断て、リスクを取れ、行動してから考えろ。そんなの全部結果論です

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惑わさちゃいけないのがこういう論。

  • 成功したければ退路を断て!
  • リスクを取らないとチャンスもつかめないぞ!
  • まずは行動!考えるのはあとからでいい!

ある意味正しいけど、鵜呑みにしなくていいかなと。

リスクを取ることは大事だけど、必要のないリスクまで抱え込んだら、ただの計画性のない人です。回避できるリスクは回避したほうが賢いですよね。

私の個人的な意見としては、退路を断ったって身銭を切ったって、失敗する人は失敗すると思っています。危機感だけをエネルギーに突っ走れる人って、そんなに多くありません。

「失敗して笑われたくない」
「金銭的に損したくない」

こういうネガティブ感情を原動力にできる人は限られています。

過去に挫折経験があったり、どん底を味わったりしてきた人は、このパワーが強いですね。反骨精神から、想像を絶するパワーを発揮したりします。

ですが、私はあまり深い挫折もせずに淡々と生きてきたタイプなので、お金かけて買った本を読まなかったりとか普通にしてしまいます。生い立ちと性格によるので、自分はどうすれば頑張れるタイプなのか知っておくのも大切です。

最初に言ったような精神的な煽りは、ぜんぶ結果論でしかありませんうまく言った人はそう言いますが、うまくいかなかった人はなにも言わずに消えていっただけ。

堅実に戦略を練るのもありだと思いますよー

 

まとめ:戦略は戦いを略す。無駄な消耗はしないようにしましょう

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戦略は「戦いを略す」と書くように、しっかり計画的に考えて行動していけば、無駄な戦いはしなくて済むようになっています。

「フリーランスになりたいけど勇気が出ないんですー」

という人は、誰かに勇気を出させてもらえる期待は捨てて、自分の戦略を考えましょう!自分の状況をいちばんわかっているのは自分です。

堅実主義者からの堅実すぎるアドバイスでした。

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おわり。

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