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似ているようで別物!映画やドラマの「特別出演」と「友情出演」の違い

映画やドラマを見ていると、エンドロールに「特別出演」「友情出演」と書かれていることがありますよね。

なんとなくの理解でスルーしてしまいがちなこのふたつですが、実は似ているようでまったく別物です。

以前、映画やドラマのロケに携わっていたことがあるのですが、最近またこの違いが気になる機会があったので改めてまとめてみました。「特別出演」と「友情出演」の違いやギャラの差、海外での扱われ方についてです。

特別出演 – 大物俳優が脇役で出るとき

「特別出演」とは、主役を演じてもおかしくないほどの大御所・大物俳優さんが、脇役やチョイ役で出演する際につけられます。

映画やドラマには主演以外にも重要な役や、出番が少ないけれどインパクトが必要な役というのがあります。脇役であっても高い演技力が求められるため、「この役はこの俳優さんにしかできない!」という強い意味でキャスティングする際に、「特別出演」という扱いでオファーをします。

普通なら格の高い俳優さんにチョイ役なんてお願いできないけど、「特別出演」扱いにするよということで、ちょっとオファーの重みが変わるんですね。

そのためエンドロールに名前を表示するときも、“主演に準ずるほど重要な役”という意味で、最後(トメ)にもってきたりします。通常エンドロールは、主役がはじめに表示され、そのあとは出番の多い順などに続き、最後には格の高い俳優が表示されます。

ただ、他にも通常オファーで格の高い俳優がいた場合、最後にできるのは1人だけなので、最後から2番目や3番目にせざるをえないときもありますよね。そういうときに「特別出演」をつけることで納得してもらうという意味合いもあったりします。バランスを取っているわけですね。

特別出演のギャラは?

「特別出演」の場合、そういう事情なので出演料(ギャラ)は通常通り高額か、ケースによっては通常以上に上乗せしていることもあります。

何本も主演を張っていたりキャリアが長かったりする俳優さんに出てもらうのは一筋縄ではいかないので、ギャラも「特別」にすることで出てもらうこともあるようです。大物ですからね。

友情出演 – 文字通り“友情”で出演してもらう

「友情出演」とは、文字通り監督や出演者などの親しい人に、“友情”で出演してもらう場合の扱い方です。

親しいから「ちょっと出てよ!」というカジュアルなノリで決まることもあったり、逆に役者側が「ギャラはいいから出してよ!」と逆オファーなんてこともあります。友達として仲が良い以外にも、共演歴がある関係で恩を売ったり売られたり……みたいな感覚もあるようです。

かわいがっている若手俳優のドラマに大物がチョイ役で出る、といったことも起こります。日本らしいですね。海外にも「特別出演」ぽいものはありますが(このあとに説明)、「友情出演」に関しては日本独特の文化のようです(他にもある国はあるかもしれない)。

友情出演のギャラは?

友情出演のもっとも特徴的なところが「ギャラ」です。

限られた制作費のなかでお友達を召喚するような意味合いもあるので、多くの場合で出演料は「友情価格(通常よりもかなり低価格)」か、ときにはノーギャラのことも少なくないようです。

「友達だから安くしてよ!」はあまり良いとは思えませんが、これが日本の映画・ドラマ界ではふつうに行われているんですね。

ただ、お互いメリットもあり取引として成立するから今もあるんだと思います。「大物俳優が友情出演で出てあげるかわりに、同じ事務所でこれから売り出したい若手俳優も一緒に出してもらう」のようなことができるからです。ギャラが低くても別のメリットがあるから、使われているのかもしれません。

海外やハリウッドで多い「カメオ出演」とは

あわせて知っておきたい「カメオ出演」というものがあります。

特別出演の一種ともいえるのですが、監督や原作者自らだったり、作品のモデルになった人物や有名スポーツ選手、アーティストなどが、短い時間だけ出演するやりかたです。

海外ドラマやハリウッド作品に多く、たいていサプライズ的に出演しており、見る側としては「この人が出てるの!?」となるようなものです。普段は映画やドラマに出ないような人が出ているケースもあり、よ〜く見ないと気づかないくらいの登場だったりもします。

有名なドラマの『glee』のようにカメオ出演の豪華さで知られている作品もあり、インパクトを出して話題化させたり、宣伝効果を高めたりするのにも有効な手法です。『glee』は作品のファンで自ら出たいと名乗り出る著名人が後を断たないとか。

Cameo appear 1カメオ

ちなみに「カメオ出演」という変わった名前は、大理石や貝殻に彫刻を施した装飾品「カメオ」から取られています。「遠目でもひと目ではっきりわかる」という意味で、チョイ役でも印象が強いことからそう呼ばれるようになったそうです。

「特別出演」と「友情出演」の違いを知ってより面白く

似たようなものと認識しがちな「特別出演」と「友情出演」は、けっこう違うものでした。特にギャラに関しては、超高額からノーギャラまでの差があるので、知ったうえで見てみるとより楽しめそうですね。

ちなみに私は映画やドラマのエンドロールを食い入るように見てしまう派です。

出演者の関係性や、携わっている人や職種、ロケ地や協力会社などがわかって、おもしろいですよね。

PR広報の立場から、映画やドラマの裏側についてときどき書いています。こちらの記事もあわせてどうぞ。

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おわり。