2020年9月、オーストラリアから日本へ帰国しました。
現在はピーク時よりは感染状況が収まっているとはいえ、まだまだ海外からの帰国となると通常のようには戻っていません。
これから帰国する人や迷っている人向けに経験をシェアします。前半はオーストラリア特有の話ですが、後半では着陸以降のPCR検査や14日間隔離措置に触れています。参考にどうぞ。
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2020年9月時点、オーストラリアからの帰国を迷っている人へ
国によって規制度合いはさまざまですが、オーストラリアやニュージーランドは世界でもトップレベルで厳しいです。
- 政府は、一時滞在ビザ保有の外国人は早めに帰るよう推奨している
- 一度出るといかなる状況であっても再入国はできない
- 国民や永住者は特別な事情を除き出国を認められていない
2020年9月現在のこうした措置は、メルボルンのあるビクトリア州に第二波が来ていることもあり、まだまだ続くと見られています。
スコット・モリソン首相は、クリスマス休暇前までに州境を開放することを目処にすると、WAを除くすべての州と準州と合意しています。これはつまり、どんなに早くても2020年12月17日までは今の状況が続くことが決定しているということです。
という覚悟で判断したほうがいいと思います。ほんと難しすぎますよね。わかります。
コロナで減便。日本への直行便はシドニーからのみ
新型コロナウイルス感染症の影響で、オーストラリアから日本へのフライトは著しく減便しています。直行で帰れる便は、シドニーからしか飛んでいません。ANAとJALのふたつの選択肢があります。
ANA:週3便(10月から週5便に)
10月1日までは月・木・土の週3便が運行しており、10月2日から月・木・金・土・日の週5便に増えます!
JAL:週2便のみ
JALは週2便飛んでいます。
シドニーから羽田への便のみなので、直行で帰るにはメルボルン・ゴールドコースト・ブリスベン・ケアンズ・パース・タスマニアなどの都市にいても、国内便かバスなどを使ってシドニー空港に行く必要があります。
直行でなければ、アジアの国を経由して帰る便もあります。そのほうが少し安かったりしますが、勝手も規制も感染状況もわからぬ国を経由するのは怖いです。
今は急なフライトキャンセルや時間変更なども起こりやすく、万が一アジアの国で1〜2日スタックしてしまうリスクを考えると、数万高くてもシドニー経由が安全かなというのが個人的なおすすめ。
私の場合はバイロンベイに住んでいたので、まずバスで15時間ほどかけてシドニーに行って、ANAの深夜便で帰国しました。時間はかかりましたが何のトラブルもなくスムーズでした。
↑余談だけど、途中休憩のサービスステーションに寄ってマクドナルドを見たとき、「久しぶりにオーストラリア来たな……」と感じた。
帰国の様子はシドニー到着以降からシェアするので、もしバイロンベイからシドニーへの行き方について気になる日本人がいたら直接お問合せください。
シドニー空港はガラガラ。時間潰しはフードコートにいましょう
シドニー空港の国際線ターミナルはかなりガラガラでした。ABCDEFG……とあるチェックインカウンターも2〜3個しか空いておらず。
それもそのはずで、空港に朝着くとすでに自分の乗る深夜便が表示されていました。入場者数やフライト数を制限しているため、1日あたり10〜20便ほどしか飛んでなさそうでした。
奥にフードコートがあります。フライトまでの時間はここで潰しましょう。人は少なくお店も大半閉まっていますが、いくつかの飲食店がやっていました。コーヒー、パン、バーガー、サンドイッチや、タイ料理やインド料理みたいなものが買えました。
夜便が多いのか、夕方になると少し人が増えてきました。一方で飲食店は閉店しはじめていたので食べたいものがあれば先に買っておきましょう(あとでバブルティー飲もうと思ってたら飲み損ねた)。
乗客が少ないので手荷物検査や税関などの手続きはかなりスムーズ。
免税店エリアは悲しくなるくらい閉まってました。平日の夕方でこれ。ブランド店などは空っぽで什器だけが虚しく残っています。
搭乗ゲートのほうにいくと別のフードコートがあります。選べるものは少ないですが、お腹が空いたらこちらでどうぞ。
ANAの飛行機内では、万全な感染対策とサービスに感動
搭乗口のところまで行くと、日本人がたくさんいて(今までどこにいた?)、スタッフやアナウンスも完全日本です。すでに帰国した気持ちになりました。
乗客はほぼ日本人で、家族連れも少しだけいたけど、あとは若い単身者だった気がします。留学生とかなのかな。みんなどこに住んでて、どんな気持ちで帰国するのかな……と気になった。
搭乗はグループごとにわけて少しずつ行われるようです。私はGROUP1だったので、1番目の搭乗者だった。もってる。
こんな少ない乗客で飛ばしてくれてありがとう。数十人しかおらず、横一列につき1〜2名くらいでした。
感染対策などを説明するビデオを見て感動した。飛行機の換気システムは3分くらいですべての空気が入れ替わるようになっているそうで、そういった点を強調していました。
CAさんはマスク手袋を着用し、機内ポケットの雑誌等は少なめでした。アルコール除菌シートやプラスチックバッグに入った軽食、それを捨てるビニール袋などが配られます。環境面で複雑な気持ちになったけど、衛生対策は万全でした。
機内食も出ます。久しぶりに食べたら、おいしい。日本のおかきと、オーストラリアのTimTamがおやつに提供された。
ひとつ注意ですが、飛行機を降りるとしばらく検査の流れに沿って進まねばならずトイレに行けないので、着陸前に済ませておくのがおすすめです。
着陸したらPCR検査。9月から簡単で痛くない唾液採取に!
機内で紙がたくさん配られるので書いておきます。帰国後の14日間隔離の滞在先などもここで申告します。書いた電話番号にあとから電話がかかってくるので、自分がきちんと出られる番号を書きましょう。
その紙たちを携えて、PCR検査に進みます。
結論からいうと、検査は全然痛くもなく簡単で、すぐに結果が出て1時間半くらいで空港を出られました。スタッフさんの働きと検査改善の努力に感謝が止まりません。
少し前の情報を見ると、鼻に綿棒突っ込まれて痛いとか、すごく待たされて空港出るのに数時間かかったという話もあるのですが、たぶん2020年9月時点ではそれは大丈夫。※着陸の時間帯や混雑状況によって差はあると思います
検査場所はこんな感じになっていますが、ここから写真撮影禁止だったので文字のみで。
PCR検査は唾液を採取して提出
この先にブースがあり渡された容器に自分で唾液を採って提出します。ブースに梅干しとレモンの写真が貼ってあって、日本愛が高まりました。
対面のヒアリングで移動方法や隔離場所を申告
そのあと順路に沿って進み、対面のヒアリング的なものがあります。
体調はどうか、どうやって移動してどこで隔離するかなど聞かれるので、そのまま答えましょう。ここに自動販売機があって、飲み物を買いたければどうぞ、と案内されました。さすが日本。
待合スペースで待機し、番号が呼ばれる
自分に番号が割り当てられているので、それが呼ばれるのを待ちます。
唾液の検査が終わったものから、まとめて順番に呼んでくれます。そんなに時間はかかりませんでした。
開放!スーツケースは並べて用意されています
あっという間に開放されました。あとは通常の税関申告などフローは同じです。預けたスーツケースはベルトコンベアを回っているのではなく、既に降ろして名前付きで用意されていてスタッフの方がフォローしてくれます。さすが日本。
すべてが終わって出るとこの光景があり、たいへん虚しい気持ちになりました笑
公共交通機関を使わずに移動し、14日間の自主隔離
検査の結果が陰性であっても、14日間の自主隔離が必要です。この期間は申告した場所から極力出ず、必要最低限の外出のみが認められています。
滞在場所は、公共交通機関を使わずに移動できるのであれば自宅でOKです。遠方などで羽田から帰れない人はホテルに滞在する必要があるので大変です。。
配られた紙のなかに案内が入っているので、厚生労働省とお友達になっておきましょう。
隔離期間中は、保健所から体調確認の電話が来たり、LINEでフォローアップされたりします。監視があったりするわけではありませんが、空港とかいろいろ通ってきて保菌している可能性は十分にあると思うので、おとなしく過ごしましょう。
私はこうして引きこもってブログを書くなどしています笑
まとめ:海外在住者の帰国はあたたかく見守ってあげてください
一時期、海外から帰国する人が炎上したりもあったので、最後に自分の考えを残しておきます。
海外在住者は、どんな状況やステータスであっても、ものすごく考えた末に帰国の決断をしています。ビザの都合上、経済的な問題、家族の状況、などなどパーソナルな事情がいろいろとあります。
幸い私のまわりには理解ある人が多いので、寛大に「おかえり!お疲れさま!」と言ってくれるけど、帰国して叩かれている人を見ると心が痛い。
逆に帰国する人は、海外に住んだことのない人の意見はフルシカトで良いと思います。自分の人生の選択なので、自分で決めましょう。だけどきちんとルールは守って、帰国できることが当たり前と思わずに全力で感謝する心は大切だと思います。
今回感じましたが、このシチュエーション下で飛行機が飛ぶというのは、まったく当たり前のことじゃないです。あれだけ少ない乗客でサービスレベルを維持しながら飛ばす経営判断は尋常ではない。停止してもいいはずなのに、やむを得ない事情で移動する人やわがままな渡航者(私)のために、全力を尽くしてくれている。
感謝しましょう。帰国にあたってお世話になったすべての人に。
さて、しばらくは出国予定はありませんが、個人的には過去10年で何本飛行機に乗ったかわからないなーと感慨深く振り返っております。10年パスポートもそろそろ切れるし。
これからの海外渡航がどうなるか、未来はぜんぜんわかりませんが、そのときそのときで決断してやっていきたいと思います。
おわり。