COLUMN

海外の牛乳・卵の賞味期限が長すぎる。常温販売できる理由とフードロスとの関係

海外生活経験者なら誰もが一度は感じたことがある疑問、

海外のスーパーで売ってる牛乳や卵って、なんで賞味期限がこんなに長いのかな?

について改めてリサーチしてみました。

「海外」と一括りにしていいものかわからないけど、少なくとも私がこれまで訪れた国(アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、東南アジアなど)では、どこも日本と比べてかなり賞味期限が長かったです。

海外生活をしたことがなくても、卵や牛乳はほとんどの人が小さい頃から食べてきているもの。「あーまた使い切れなくて無駄にしちゃったなー」という経験が実は日本特有のものなのだとしたら、誰でも気になりますよね。実はフードロスやサステナビリティの問題とも関係がある、知って損しない話です。

※「食べ物の賞味期限」という身体の健康に直結する話ですが、個人リサーチで主観も入っていると思うので、あくまでエンタメとして参考程度にしてください!

海外生活の驚き:牛乳と卵の賞味期限、なんでこんなに長いの?

Milk egg longlife 6海外のスーパー

私が初めてこれに気づいたのは、かなり昔のことです。でもあまりにも日常生活のことだし、「国が違えばいろいろ違うんだな」くらいで、調べようと思わないまま10年が経っていました笑

そんなことより、海外スーパーって楽しいですよね。見たことない食材がたくさんあって、ミルクも卵も日本とは比べ物にならないくらい種類があって、売り場の規模も違いました。「へー英語では賞味期限はBEST BEFOREって書くのか」とは思っても、大人になって今さらその設定方法とか考えなかった……。

しかし傷みやすいイメージのあった「牛乳」や「卵」が1ヶ月以上の賞味期限で並んでいるし、ミルクコーナーに至っては常温の棚だったりすることもあったので、さすがに気になってはいました。日本ではミルク系は必ず冷蔵コーナーに置かれていて、持ち帰り時間にも気を使ったりするのものなのに。

何かしら加工方法が違うのかな?と思っていましたが、その理由は「牛乳」と「卵」でそれぞれ違いました。

【牛乳の場合】殺菌方法や容器が異なるロングライフミルクだから

Milk egg longlife 3牛乳

牛乳は、牛の乳から絞った液体を殺菌してからパッケージングして、それをトラックなどに積んで輸送されてきます。その「殺菌方法」「容器」に秘密がありました。

未開封で常温で3〜6ヶ月保存できるロングライフミルク

「ロングライフミルク」とは賞味期限を3〜6ヶ月まで伸ばすことに成功した新タイプのミルクで、新しいといっても今や海外では当たり前。すべての国とは言い切れないけど、先進国で売られているミルクの大半はもうロングライフミルクに置き換えられているそうです。

一方で日本にはロングライフミルクがない……わけではないのですが、まだ数は少ないようです。製造方法としては実現していても、売り場ではいろんなメーカーの異なる製造方法のものが混ざっているし、日本特有の法規制や文化があって賞味期限が異様に長いものは根付かず、日本では実際がどうであれ1〜2週間の賞味期限が当たり前となっているんだって。

「殺菌方法」と「容器」の違いで長くもつ

ロングライフミルクにするための要素は大きく「殺菌方法」「容器」のふたつ。

牛乳は「牛」から絞るナマモノなので、当然そのままでは長くもちません。絞ったあとに殺菌方法が何種類もあり、それにより保存可能期限が変わります。海外で多く使われているのは「UHT減菌法」という一番パワフルなもの。130〜150度の超高温で瞬間殺菌し、菌を全滅させて無菌状態のままパッケージングに進みます。

容器も工夫されています。海外でミルクを買ったことがある人は、内側にアルミ箔が貼られている紙パックを見たことがありますよね?これにより酸化や紫外線からミルクを完全防御できるため、常温で棚に置いておいても大丈夫というわけ。本来はプラスチックボトルのほうが密封性が高く長期保存には向いているけど(巨大なペットボトルミルクも海外の定番だよね)、最近は環境配慮の観点から減ってきているみたい。

日本は超高温殺菌による性質の変化を気にしてか、もう少し低温の120〜130度ほどの殺菌方法が9割以上を占めていて、ロングライフ化はあまり進んでいないようです。

Milk egg longlife 2海外スーパーの常温販売
(特殊な紙パックが常温で並ぶミルク売り場)

【卵の場合】賞味期限を過ぎても加熱すれば全然食べられる

Milk egg longlife 1卵

「卵」はまた事情が違って、基本的にモノ(卵自体)は同じなのです。前提が違うだけでした。

日本は「生食」を前提に、2週間の賞味期限に設定されている

日本の卵の賞味期限が2週間前後なのは、「生で食べられる期限」が設定されているかららしいです。

卵かけごはんにしたり、すき焼きを食べるときだったり、半熟とろとろのオムライスだったり?日本人って生卵・半熟卵が大好きですよね(私は苦手なので、ふいにサラダの上に乗ってる温玉とかは本当にやめてと思っているんですけど笑)。 実は海外では、卵を生で食べる人はほとんどいません。

生食文化がなく加熱調理が前提となっている海外の国では、卵の賞味期限は1ヶ月以上が当たり前となっています。モノ自体が違うのではなく文化の違いによるもの、ということになります。

冷蔵保存して加熱すれば3ヶ月くらいは安全に食べられる

冷蔵庫に入れて保存しておけば、卵は買ってから2〜3ヶ月くらい安全に食べられるらしい。卵って、本来は「保存食」に該当するんだって。

採卵から売り場に並ぶまでに何日かかっているかにもよりますが、仮にどんなに長旅だったとしても、購入から1ヶ月は大丈夫と思っておいていいかもしれませんね(自己責任でよろしく)。

今までの人生ずっと「賞味期限切れてる……もうダメか……」と生卵を捨ててきた人にはショッキングな情報です。ちなみに、生だと腐るからといって茹で卵にしてしまう人がいるけど、それは雑菌が繁殖しやすくもっと危険らしいので気をつけましょう。

「賞味期限」に絶大な信頼を寄せる文化的背景も

Milk egg longlife 4日本のスーパー

いろいろショックだけどそれに加えて、日本人の“賞味期限崇拝”的な、安全性への意識の違いも背景にはあるようです。

日本は素晴らしい国なので、スーパーで腐った食材が売られていることはほとんどありませんが、海外ではわりと日常茶飯事です(もちろん国による)。下のほうにある野菜が腐ってるとか、カビが生えてるとか……。加工品も、賞味期限が古いものから手前に並んでいるというような親切設計ではないので、自分の目や嗅覚で安心な食材を見極める必要があります(大げさかもだけど、ほんとに)。

一方で日本は、“売られている”という事実や、賞味期限や消費期限の表示を信じておけば、まず大丈夫。そのため何も考えずに賞味期限をアテにします。そして賞味期限内なのにお腹を下したりしようものなら、すぐにクレームが入りますよね。そういう文化的背景から「安牌を取っておこう」みたいな感じで、(多少短めであっても)絶対に安全と言い切れる賞味期限が設定されてしまうというわけ。いかにも日本らしい。

フードロス削減のため、2023年から「賞味期限」をやめて「消費期限」表示に

Milk egg longlife フードロス

そんな中、興味深いニュース記事を見つけました。

» 「賞味期限」より長い「消費期限」、2023年から導入|東亜日報

2023年1月より食品に表記される「賞味期限」が「消費期限」に変わる。賞味期限が切れても摂取できる食品の廃棄を防ぐための措置だ。

食薬処によると、欧州連合(EU)など、多くの国が賞味期限の代わりに消費期限を表記している。……食薬処は「消費期限の表記で食品廃棄物が減るだろう」と説明した。

東亜日報にしか記事がないのでまだ大きなニュースにはなっていないようだけど、世界的に「賞味期限」が「消費期限」になっていく流れにあるのは確かなようです。

「美味しく食べられる期限」である【賞味期限】は、「安全に問題なく食べられる期限」である【消費期限】よりもかなり前の日付に設定されていますよね。置き換わることで販売できる日数が増え、フードロス(食品廃棄)の削減にもつながるとのこと。

地球のサステナビリティや環境問題を考えれば、今すぐ進めるべき措置ですね。EUから普及しているようなので、日本にも浸透していくといいなと思います。

地球のサステナビリティのために、牛乳も卵もやめた人は増加中

Milk egg longlife 5サステナビリティ

以上が、海外のスーパーで売られている「牛乳」と「卵」の賞味期限がやたら長いことの理由でした。

とはいえ、世界的にはもう「牛乳」も「卵」も食べないという人は増えています。地球のサステナビリティに配慮して、動物性食材を摂ることをやめて置き換えていく流れ。

実は私自身も、こんな記事を書いておきながら「牛乳」も「卵」もほとんど買いません。牛乳はソイミルクやオーツミルクに代え、卵は平飼いのものが見つかったときにたまに買ったりしています。自然に寄り添いながら食べるものを選んでいけるといいですね。

そういったヴィーガニズムや食のことに興味がある人はこちらの記事も読んでみてください。

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おわり。

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