最近「コンポスト」をよく聞くようになりましたが、面倒臭そうで手を付けられていない人も多いと思います。生ゴミが堆肥化するとか言われても、家に庭や畑がなければ無縁の話と思いがち。
でも、ほとんど手間をかけずにゴミが消滅させられると言われたら、ちょっと気になりますよね。私はこの数ヶ月「ホームセンターに売っている2,000円程で揃う道具だけで簡単に作れて、生ゴミを土に埋めて放置するだけで勝手に消えてる」というのをやっています。
実際にやってみると簡単すぎて、たったこれだけで生ゴミがほとんど出なくなるなんて最高です。作り方から使い方まで紹介します。
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生ゴミはベランダで放置するだけで処理できるらしい
この記事のポイントは、
- お金をかけずに半永久的に生ゴミを消せる
- 慣れればほとんど手間いらずで放置するだけ
- マンションでも一人暮らしでもできる
ということ。「コンポスト」や「生ゴミ処理機」など最近よく聞くようになりましたが、庭や畑がなければ堆肥化したところで活用する場がなく処理に困るし。余裕のある人がやる特殊なアイテムだと思ってスルーしている人もいるかも。
私はオーストラリアの家にコンポストがあったのですが、自分でずっとケアしていたわけではないので、正直よくわかっていませんでした。でも実際はそんなに難しいものではなくて、ほぼ放置しておくだけで分解されるらしい。生ゴミなんてできれば手を触れずに消し去りたいので、ちゃんと調べてやってみることにしました。
最初はちょっとだけ手間がかかるけど、慣れてしまえばゴミとして毎週捨てるより楽なんじゃないかなーと個人的には思います。
コンポストが面倒な人におすすめな「キエーロ」
「コンポスト=堆肥化できる」というものなので、肥料が必要で定期的にかき混ぜるなどケアしなきゃいけないイメージがあるかもしれません。長期で家を空けられなくなったりするのも面倒です。
そんな人でもできる「キエーロ」というものがあります。葉山町にお住まいのご夫婦が考案・開発した消滅型生ゴミ処理機。消滅するので、厳密にはコンポストではないのですが。
本来のキエーロは、木製のプランターに木枠とプラスチック製波板の屋根が取り付けられた、上の写真のような形で販売されています。これの簡易版である「ミニキエーロ」が自治体のホームページやYouTubeなどで紹介されているので見てみましょう。
正規品のサイズは庭付き一戸建てにはぴったりですが、アパートやマンションのベランダには大きい……。というわけで自作する「ミニキエーロ」があるのですが、これですら面倒に感じる人もいるかと思います。
私は仕組みを理解してホームセンターで材料を買ってきて、自己流で組み合わせて置いてみたらうまくいきました。予算2,000円ほどでいい感じに「ミニキエーロもどき」ができたので、作り方(といっても買ってきて置くだけ)を紹介します。
予算2,000円。ホームセンターで揃う材料でできるミニキエーロの作り方
材料はこれだけ。
- プランター(ご家庭に合ったサイズ・数)
- プラスチック製の透明の波板(1枚)
- 黒土(必要なだけ)
- レンガなどの重し(上に乗せます)
- シャベル(先端が鋭利なものが◎)
プランターは使っていない衣装ケースなどで代用してもOK。大きさや土の量は、ご家庭で出る生ゴミの量に合わせて調整します。土はただの黒土。波板を上に乗せるので、飛ばないようにレンガなどの重しを用意しておきます。
波板は、普通にホームセンターにあります。カインズにいろいろな種類が売ってる。ネットで探してもちょうどいいサイズ・形状のものがなかったので、なるべくホームセンターに探しに行くのがおすすめです(配達もしてくれるはず)。
一応Amazonなどの商品リンクも貼っておきますね。
(こういう組み合わせになる。この波板だけネットで見つからない……)
【ミニキエーロ 手作り】【ミニキエーロ 自作】などで検索すると、ネジを使って固定する正しい設計図が出てきます。ちゃんと作りたい人はそちらをどうぞ!今回紹介するのは簡易的なので、作り方といっても「入れて乗せるだけ」です。
まずプランターを置く位置を決めて、置きます(土を入れてからでは重くて動かすの大変なので)。
次に黒土を入れます。プランターの上までたっぷりめに投入し、少しでも表面積を広めにしておいたほうがよいです。
そして波板を乗せて、重しのレンガを置きます。……あれっ、作り方が終わってしまった。
この透明な波板の形状がかなり重要です。黒土に生ゴミを入れると分解されるという仕組みなので、
- 「太陽光がたっぷり当たる」
- 「土の上を風が通る(通気性がよい)」
- 「雨の日に水が入らない(水分量が保てる)」
の3つの条件が分解の要になります。これらを同時に叶えるには、この形の波板しかない。
本来のキエーロはこのように木枠の高さによって傾斜を付けているのですが、雨水が流れればいいので、元から山型になっているタイプのものを被せれば大丈夫。釘やネジで固定するかわりに、レンガの重さで飛ばないようにするという簡易発想です。
ミニキエーロの使い方【上手に生ゴミを消すコツ】
使い方は「生ゴミを埋めるだけ」なのですが、要所要所でちょっとコツがあります。まずしっかり深めに穴を掘ります。
そして生ゴミをドンと入れます(モザイクしたけど生々しくてごめんなさい)。細かく切り刻んであるほど分解が早くなります。※入れられるものの種類は後半に
そしてここがポイント。じょうろ等で水を足しつつ、生ゴミと土を混ぜていくのですが、スコップの先を立ててザクザクと刻むようにしながら土と絡めていくのがコツです。
土の中に含まれる微生物と水と空気と光のパワーで分解していくので、土と空気と水が、消したい生ゴミ全体にしっかり絡んで混ざっている状態が理想。「乾いた部分がなくベチャベチャすぎない」水分量が大事で、数回やれば感覚つかめると思います。
あとから購入した先端がギザギザになっているスコップがかなり優秀!これがあるとザクザク刻めて混ぜる効率が上がるので、投入から1分もあれば完了します。「根切りスコップ」といって本来は根っこを切る用のものみたい。
混ぜたら乾いた土を被せます。「臭いものには蓋をせよ」ということで、乾いた土で完全に覆ってしまうのがポイント。こうすれば臭いも虫も無縁です。
スコップをしっかり埋めておくのも忘れずに。先端に生ゴミが付いているので、そのまま出しておくと虫が湧いてしまう可能性があります。絶対にイヤなので、全力で埋めます。
最後に波板を被せて重しを乗せます。これだけ!あとはかき混ぜたりせず、とにかく放置。気になっても掘り返しちゃダメですよ。放置がコツです。(若干サイズが合ってないけど気にしない)
ミニキエーロでの消滅サイクルの管理方法
放置する期間は季節によって変わります。
夏:1週間ほど
冬:2週間ほど
気温が高いほうが分解スピードが上がるので、夏場は1週間もあればすっかり消えているはず。でも掘り返して残っていたらトラウマになると思うので、余裕を持って埋められるサイクルを作りましょう。2週間空けられると安全。
このように、ひとつのプランターの中で埋める位置と順番を決めておきます。
①に10/1に埋めたとして、
次は②に10/5くらいに埋め、
その次は③に10/10くらいに埋めたら、
また①に埋めるのは10/15。14日間空けられてるから十分かな!
みたいな感じです。
生ゴミなので3〜5日に1回のペースでは埋めたいです。上級者は生ゴミを冷蔵・冷凍しておいてまとめて入れたりもするのですが、いくら密封しているとはいえ冷蔵庫で食材のとなりに生ゴミは抵抗があります(私は)。
どの位置に何日に埋めたか、冷蔵庫にメモなどを貼って記入しておくのがおすすめ。面倒臭くない方法で気楽に管理しましょう。もしサイクルが追いつかなければプランターを買い足したり大きいサイズのものに変えたり。ゴミの量が多いほどスペースが必要なので、ゴミを減らすマインドも勝手に芽生えます。
ちなみに私は初夏〜初秋の一番暖かい時期に始めているので、今のところ苦労せずきれいに消せていますが、冬になるとまた消えづらかったりするのかもしれないです。
キッチンでの生ゴミの保管用には、一応「コンポストビン」という専用のものがあります。特別おすすめアイテムというわけではないけど参考にリンク貼っておきます。
私は持ち手がついていて臭いの付きづらいステンレスかホーローの容器をずっと探していたのですがなかなか見つからず、つい最近「ホーロー フードストッカー」と検索すると求めているものが出てくることに気づきました。これです。
ミニキエーロで消せる生ゴミの種類は「人間の胃で消化しやすいもの」と考えればOK。果物や野菜の皮、魚や肉などはOK。骨や固い種、根菜の固い部分は分解されないor時間がかかったりするので、一部は今までどおりゴミの日に捨てたほうがいいものもあります。
特別な処理はいりませんが、細かく切っておいたほうが分解が早くなったり、より上手くいきやすいコツがあるので、詳しくは別の記事で。
まとめ:跡形もなく土に還る。自然のパワーってすごい。
大げさに書きましたが、要は「生ゴミって自然のものだから土に埋めておけば微生物が分解してくれて跡形もなくなるよ」というシンプルな話でした。生ゴミという種類のゴミは存在しないと言っているのはそういうわけ。
跡形もなく消えて、土の量が増えることもない。もう何回もひとつのプランターに埋めていますが、完全消滅しているので土の増減はありません。自然のパワーってすごい。
土についてのドキュメンタリーがNetflixにあったので、見てみると面白いかもしれません。
▼消えない!などのトラブル対処法はこちら
▼サステナブルな暮らしはこんな感じ
おわり。