COLUMN

サステナビリティとシンプルライフは、ときに相反すると思った話

サステナブル/エシカルであることと、シンプル/ミニマルであることは、ときに両立しえないと気づいた。今までの持たない生き方をぶち壊していかないと、そういう暮らしはできない。そう感じる理由は要素に砕いていくとかなり細かく生活感のある話になるのだけど、そういうことを今は考えてる。

もともとミニマルにシンプルに暮らすのが好きですが、最近はサステナブルでエシカルな暮らしをつくっています。

そのなかで思ったことが上記のツイート。

近い領域にあるかのような2種類の概念なので、私のように両方に関心がある人も少なくないと思うのですが、これを両立するのはけっこう難しいぞ……。という気づきです。

考えを整理してシェアしてみます。シンプル、ミニマル、サステナブル、エシカル。これらのキーワードに興味がある方はどうぞ。

サステナビリティとシンプルライフ、とは何か

Sustainability vs simplism 3

まずはじめに、タイトルや見出しにどの言葉を使うか悩みました。言葉によって切り取られているだけで、概念はもっとふわっとしているから。

片方を表すキーワードは、

  • サステナビリティ
  • サステナブルリビング
  • エシカル

あたりで、もう片方が

  • シンプルライフ
  • シンプルリズム
  • ミニマリスト
  • ミニマルライフ

といった感じかと思います。「ミニマル」と「シンプル」も厳密には少し重ならない部分があったりする概念ですが、ここではまとめてしまいました。

より大きな産業や企業活動の話だったり、思考やマインドの削ぎ落としみたいな話もありますが、私が考えているのは「個人の生活・暮らし」についてです。

持続可能性を考えた倫理的な消費による暮らし

vs.

無駄を徹底的に排除して効率化した“持たない”暮らし

この戦いが私の中で起きていました、、

自分の話:ミニマルに生きてきたけど、サステナビリティを追求したい

Sustainability vs simplism 5

私は今まで、なるべくモノを所有せず、スーツケースでひとつでも生きられるようにしてきました。日本に最低限の家具・家電などは置いてありつつも、いつでも荷物をまとめて海外でも国内でも移動できます。

でもそれができるのは、「水回りやキッチンにノータッチのシェア暮らし」だからでもありました。バス・トイレ・キッチンなどは滞在先の家やホテルに備え付けの設備を使うので、本当の意味で「暮らし」はできません。

しかし暮らすようになって思うのは、「サステナビリティを追求するには、モノを持つ必要がある」ということでした。ここでいうサステナビリティとは、地球や自然環境にできるだけ負荷をかけないこと。そのためには、今まで使い捨てていたようなものも使い捨てないということなので、必然的に“所有”に目を向けることになります。

シンプルからサステナブルに移行するときに違和感を感じたきっかけが、日本人のシンプルライフ系YouTubeチャンネルを見ていたときでした。

Sustainability vs simplism 8シンプルライフ

シンプルな暮らしを謳っているチャンネルには、おびただしい量のプラスチック製品が登場していました。100均に売っているような、プラスチックの収納BOX。棚や冷蔵庫の中を整理しておくための仕切り。コンパクトにしまっておけるジップロックやビニール袋。

シンプルライフの代名詞であるかのような無○良品などの店舗を見ていても、サステナブルとは言い難い素材のプロダクトが溢れていました。

「シンプル」「ミニマル」の捉え方にもいろいろあるけれど、日本のシンプルリスト&ミニマリスト界隈がフォーカスするのは、無駄なものが一切削ぎ落とされた、ノイズやカラーの少ない効率的な空間・生活だったりします。

そういう生活・暮らしを作るのに最適な、過剰とも思えるほどに便利なメーカーやプロダクトが、日本には溢れています。100均グッズは海外にも進出して、驚かれていますよね。その細やかな気遣いが国の誇りでもあるけれど、ちょっと地球のためには、どうなんだろう。

サステナブルに生きたければ所有すべきものも増える

Sustainability vs simplism 6サステナブルキッチン

プラスチック製品や使い捨てアイテムを避けていると、

サステナブルに生きたければある程度のモノを所有する必要があり、とてもミニマルではいられない

という事実に気づき始めました。私自身のキッチンまわりだけ見ても、普通の人は持っていないかもしれないプラスアルファの装備がいろいろとあります。

ジップロックもまだ併用していますが、定常的にストックしておくものにはスタッシャーを使います。

使い捨てのサランラップはほとんど使わないので、蜜蝋ラップが5枚ほど、シリコンラップ、シリコン製のフードカバーなどを持っています。

なるべくパッケージのないものを選ぶから、容器は自分で持っておく必要があります。まあこういう容器はミニマリストでも持ってるかな?

でも使い切りサイズで買うよりも、大きいパッケージを買って詰め替えたほうがゴミが少なくてすみます。コーヒーやオリーブオイルなどは、容器を自分で家から持参して量り売りで買ったりするので、多めに容器が必要です。

また、キッチンに限っていうと、なるべく無機質ではなく有機的な空間にしておきたいというマインドにもなってきます。言葉で説明するのが難しいのですが、軽くて効率的なプラスチックケースでカチッと仕切ったりするよりも、木製やガラス製のものを使いたかったり、植物なども飾りたかったりします。気持ち的な面にも変化がでてきます。

そんなわけで、サステナビリティを追求すると、シンプルな空間とは離れていき、ごちゃっとした感じの空間になっていくのではという仮説となりました。

Sustainability vs simplism 1PinterestSustainableKitchen

大好きなPinterestで見てみても、Sustainable kitchenはモノが多いんです。ガラスジャー、木のカッティングボード、食器洗いや野菜洗いのためのブラシ各種など、溢れていますよね。

そうそう、サステナブルな人はオーガニックの土付き野菜を買ったり、スーパーで買うようなものも農薬やワックスを落としてから調理したかったりするから、野菜・果物を洗うためのブラシなども加わります。手間も時間もかかるので、時間コスト的に見ても、効率化を重視するミニマリストとは相反するような気がします。

コンビニやスーパーなどの手近なところでの買い物頻度も減り、「食材や日用品のストックは最低限にして、切れるたびに買い足す」という都会的な行為から、「車で買い出しに行きストックをたくさん仕入れてくる」という田舎的な行為になったりもします。

私はまだこの域まで達していない部分も多いのですが、具体的に細かく見ていくとこんな感じ。

Sustainability vs simplism 7ガレージ

それから、工具とか部品とかも増えていくと思います。オーストラリアでとてもサステナブルな暮らしをしていたときは、とにかく壊れたら自分たちで直すのが基本だったので、道具も部品もなんでもありました。ガレージはごちゃごちゃです。

直し直し長く大切に使っていくことを考えれば、それを維持(sustain)するために所有すべきものは増えていきます。

「シンプル&ミニマル」vs「サステナブル&エシカル」戦った結果のお買いもの

IKEA、セリア、ニトリ、無印、、そういったところがシンプリストの生息地ではないでしょうか。私自身もシンプル&ミニマルな暮らしを求めてそういうで買い物をするわけですが、サステナブル&エシカルではない製品のあまりの多さに倒れそうになります。

その結果、最近のお買い物リストがこんな感じ。

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せっかくなので記事にしてみたのですが、葛藤と迷走が見えませんか笑 私自身もこれが正解とは思っていません。

思えば、オーストラリアでのスローライフ暮らしは不便なことも多かったです。冷蔵庫の中で調味料チューブをまっすぐ立てておくだけのためのプラスチック仕切りなんてどこにも売っていません。ひとり暮らし用に1個だけ個包装された野菜も、細かくカットされたバラ肉もない。

不便だけど、そのほうが自然を近くに感じられて、快適でした。

ミニマリストやシンプリストは過剰消費社会へのカウンターカルチャーとして生まれたわけだけど、結果として廃棄や過剰消費が付きものになっているところに、やはりねじれというか、両立しえなさを感じてしまうのです。

モノに執着しないシンプルライフ、モノに執着してこだわるサステナブルリビング

Sustainability vs simplism 4

シンプルライフの回りには「心がときめかないものはどんどん捨てていこう」といったムーブがあることも、廃棄が付きものと感じた理由です。もちろん一概には言えず、愛着のあるものを長く大切に使っていくミニマリストも多いし、まずは捨てまくってみた結果、その先でエシカルなどに到達できるのかもしれません。

とはいえ、「モノに執着しない」ことはシンプリスト&ミニマリストの間では主テーマとしてあり、その逆で執着してこだわりまくるのがサステナブル&エシカルな人の特徴でもあったりする気がします。

個人的には、昔から持っているけどガラクタだと思っていたモノや、旅先で手に入れた特に意味のないものへの愛着を感じたりしています。ダサいものが一周回ってかわいく見えたり。新品より中古が魅力的に見えたり。サステナブルなモノ選びも楽しい。

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ブログで紹介したのは一部だけど、いろいろ買ってしまうね。

まとめ:「いかに手放すか」を経て、「いかに手放さずに済むか」へ

先ほど少し書いた、「捨てまくった先にサステナビリティやエシカルに到達するのかも」が現時点の答えとしては一番しっくりきています。自分にとって本当に必要なものを見極めるトレーニングを経ないと、持続可能性や倫理観にも配慮できません。

思えば昔から「いかに手放すか」ばかり考えていたけれど、今あるモノを長く大切に使うほうがサステナブルです。そう考えると、自分のために選ぶものも自ずと変わってきます。

少し高価でも長く使えそうなものを背伸びして買ったりするので、捨てたり売ったりするときのことはあまり考慮せず、いつでも手放せる状態からは遠ざかっていくのかもしれません。

今まで「いかに手放すか」を考えて生きてきた結果けっこうモノが減ったので、ここからは「いかに手放さずに済むか」を考えながら未来を見据えたお買いものをしていって、ちょうどいいところに調整していけたらいいのかなーと思っています。

おわり。

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