メディアでライターをしている人向けに、「飲食店への取材依頼の仕方」をまとめます。
飲食店取材は初心者ライターさんでも比較的やりやすいジャンルですが、初めてだと取材依頼書の書き方やアポの取り方などのお作法がわからないと思います。
私は飲食店のPR担当として取材依頼を受けたことも、自分がライターとして取材依頼をしたこともあり、「取材依頼を受ける側」と「取材依頼をする側」を両方やってきたちょっと珍しい人です。
どちらの立場も経験しているからこそわかることもあると思うので、完璧な方法をまるっと解説します!
Contents
ここのお店を取材したい!からの全体フロー
取材依頼の仕方はメディアによってそれほど変わりませんが、一応この記事では「WEBライター」さんを想定したいと思います。
「ここのお店を取材したい!」と決まったら、以下のような流れで掲載まで進んでいきます。
取材概要を整理
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取材依頼書にまとめる
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アポ取り・取材内容交渉
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取材当日
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原稿作成
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取材先への原稿確認
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記事掲載
WEBメディアなら全体で最短2週間ほどかなと思います。編集部でのチェックフローが厳しい場合、1ヶ月以上かかることも。
「飲食店」とひとくちにいってもチェーン店から個人店までいろいろなので、それぞれのフローにどれくらい時間がかかるかは読みづらいところです。。
余裕をもって進められるようなスケジュールを組みましょう。
依頼の前に:取材概要をわかりやすくまとめる
お店にコンタクトを取るまえに、まずは自分のなかで取材概要を整理します。5W1Hを明確に、取材依頼先に簡潔に伝えられるようにまとめましょう。
- WHEN → 取材したいのはいつ?
- WHERE → お店で?別の場所で?
- WHO → あなたはどこのメディアの人?
- WHAT → 取材したいのは何?
- WHY → 何のために?取材の目的は?
- HOW → 映像?インタビュー?手段は?
取材慣れしていない飲食店も多いので、自分のなかで思っている「取材」と相手が思っている「取材」は、けっこう違う可能性があります。
お店の人は大きなカメラが入るガチガチの取材のつもりで構えていたのに、いざ来たのはデジカメをもった若いライター1人……。とかだと、拍子抜けしてしまうかもしれません。
今回の取材で何をしたいのか=そのために何をしてもらう必要があるのか
ということを、当日の様子をなるべく具体的にイメージしながらまとめておきます。
「取材依頼書」を作成する【書き方・テンプレ公開】
取材の概要がまとまったら、それを「取材依頼書」に起こしていきます。
基本的に取材を申し込む場合は、飲食店にかぎらず「取材依頼書」にまとめてお願いするのが丁寧です。決まった形式があるわけではありませんが、だいたい下記のようなイメージかと。
▼取材依頼書とは……?
取材の概要をまとめた書類。依頼者にたいして内容を伝えるために、メディア側で作成する。
- 形式:Word・A4/1〜2枚
- 文体:ですます調のお手紙風
- 送付方法:メールまたはFAX
ペラっと簡潔に、A4一枚くらいでOK。取材依頼書に書くべき内容は以下のとおりです。
- 挨拶文
- 媒体名・社名
- 企画内容・コーナー名
- 掲載予定日
- 取材・撮影内容
- 取材希望日時
- インタビューがある場合、想定質問内容
- 連絡先
どの媒体にどんなかたちで掲載されるための取材なのか、はっきりとわかるように書きましょう。サンプル記事のURLなどを付けてあげると親切ですね。
とくに、写真を撮りたいメニューはしっかり決めておかないと、当日急に用意ができない…などトラブルになりかねません。「お店のおすすめを1品」とかでもいいですが、事前に相談して決めておいたほうがスムーズです。
私が実際に使っている取材依頼書のテンプレートを公開しますね!以下からご自由にコピペどうぞ。
» 取材依頼書テンプレート|maholafia(Google Document)
アポ取り:お店や運営会社に電話で連絡
取材依頼書ができたら、アポを取り付けましょう。
メール&チャット文化の現代に残念ですが、飲食店はまだまだ電話連絡が基本です。お店に直接電話するのがベストな依頼方法です。
※運営会社などで広報窓口を設けている場合、そちらに電話したほうが確実です。お店のWEBサイトやプレスリリースを見て確認しましょう
電話はなるべくアイドルタイムに
営業中はバタバタしているため、お店の営業スタイルに合わせて電話する時間を調整します。
基本的にはアイドルタイム(ランチとディナーの間の15〜17時頃)がおすすめ。この時間はスタッフも休憩していたりで、比較的余裕があるので電話もつながりやすいです。
時間があれば、本当は一度お客さんとして行ってみてお店の様子をチェックするのがいいですね。
電話でのアポ取りの流れ
お店に電話をするときは、以下の流れでいきましょう。
- まずは電話口で何者かを伝える
- 店長など責任者に代わってもらう
- 取材をしたい旨を簡潔に伝える
- 詳細を送るため連絡先を教えてもらう
- メールかFAXで取材依頼書を送付
飲食店で電話に出るのは、たいていアルバイトスタッフです。緊張して最初からいろいろ説明してしまうかもしれませんが、バイトでは判断できないので早めに責任者に代わってもらいます。
飲食店において「責任者と話す」ことはとても大事です。お店のトップ1人しか判断できない場合がほとんどなので、責任者不在の場合は潔く出直してください。
責任者と話せたら、簡潔に要件を伝え、メールアドレスかFAX番号を聞いて作成した取材依頼書を送ります。
広報窓口が運営会社などになっている場合は、話がスムーズなかわりに逆に取材対応に慣れているので、ライター側がタジタジだとすぐに初心者だとばれてしまいます。。がんばりましょう。
取材をOKしてもらえる連絡のコツ
取材を断られないようにするために大事なのは、以下を強調すること。
- 取材を受けるメリットとしてはこんなことがあるよ
- そんなに時間かけずに済ませるよ
- 営業時間外に行うとか負担かからないようにするよ
なるべくお店側には負担がかかりませんよ〜ということを押して、懸念ポイントを払拭してあげましょう。
その他、飲食店取材で注意すべきこと
ここまでの流れで、飲食店への取材依頼は完璧です。その他、気をつけておいたほうがいいことをまとめておきます。
直営店かフランチャイズか
お店が直営店ではなくフランチャイズの場合、取材前の許可取りや取材後の原稿確認フローがちょっとめんどうなことがあります。
できれば直営店で取材させてもらうのがベターです。フランチャイズ展開している店舗の場合、少し気をつけておきましょう。
施設のなかに入っているお店ではないか
WEBメディアの取材規模ならほぼ問題ないかと思うのですが、商業施設のなかに入っている店舗は少し注意が必要です。
カメラ機材が大きめだったり人数が多かったりすると、裏口から入って防災センターで撮影許可腕章をもらうなどの手続きが必要になることがあるためです。
施設側の許可が降りるまでにプラスで数日かかるので、余裕をもって依頼しましょう。
掲載料がかからないことは伝えるべき
最近の飲食店界隈では、取材と偽ってあとから掲載料を取るような悪質な広告ビジネスが横行しているんです。
そのため、取材依頼書などに「掲載料は頂戴しません」と明記してあげたほうが親切かなと思います。
飲食代の負担をはっきりさせておく
撮影用に出してもらった飲食代などの支払いをどうするかも明記してあげると親切です。
これは決まりがあるわけではないので、メディア側で負担するのか、飲食店側にもってほしいのか、どちらでもOK。どうするにしてもお金のことは書面に残しておいたほうがトラブルが避けられます。
まとめ:飲食店への取材依頼はこれで完璧
以上です!
これで飲食店へ取材依頼をするのは完璧だと思います。
取材当日は、少し早めにお店に行って流れを確認し、スムーズに進めましょう。協力してくれたことへのお礼を忘れずに。
取材を受けるかどうかの判断に関して、飲食店側の考えも知っておきたいという方は以下の記事をどうぞ!
おわり。