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スノーボード初心者が知らないと危険なこと、知ってると役立つこと

スノーボードほど“初心者にとって未知度が高いスポーツ”はありません。

野球やサッカーのように日々テレビで見るわけでもないし、バスケやテニスのように学校でも習わない。しかも、他のスポーツと比べてケガの危険性が高いイメージも一般的にあります。

雪山の近くにいたりレンタルショップで働いたりしてきた経験を通して、初心者が意外と知らないことや知ってると役立つことを紹介します。

結論としては、危険な部分をきちんと知って楽しめば大丈夫だよという話です。

雪を甘くみると痛い目にあう

Snowboard risk 1

いきなり脅すみたいですが、雪山では毎年必ず何人もの死亡者が出ています。ただ不運だった残念な事故もある一方で、「無知や不注意による、未然に防げたはずの事故」もかなり多いのが事実です。

スノーボードは大自然を相手にしたスポーツで、それが魅力でもあり、怖さでもあります。雪山を決して侮らず、敬意をはらって遊びましょう。

新雪(パウダースノー)の危険性

「パウダー頂きました!ふかふかで気持ちよかっター!!!」

よくこんなことを言ってる人がいると思います。新雪(パウダースノー)は、浮遊感を味わえてとっても気持ちよく滑れ、板の種類にも「パウダーボード」という特殊な形状のものがあったり、パウダーを愛する人を「パウダージャンキー」と呼んだりと、スノーボード好きならパウダーの素晴らしさはわかるはず。

ですがパウダー滑走は危険も伴います。その名のとおり粉のようにふわふわで柔らかい雪なので、この上で転ぶと簡単に埋まってしまい、もがけばもがくほど身動きが取れなくなります。

30cm程度のパウダーなら埋まっても抜けられますが、それより深いと本気で命の危険を感じることも。

スキー場は毎晩夜明け前にピステン(圧雪車)が入って、しっかり雪を固めてくれているから快適に滑れるのです。雪山で亡くなる人の多くが「新雪に埋まる」が原因なので、本当に気をつけましょう。

スノーボードレンタルで気をつけるべきこと

Snowboard risk 2

初心者の方はボードやブーツをレンタルすると思います。レンタル店員をやっていた私から、レンタルの際に気をつけるべきことをお伝えします。

 

小物は自分で持っていたほうがいい

レンタルするとしても、小物類は自分のものを持っていたほうがいいです。肌に身につけるものは借り物だと気持ちわるいし、ゴーグルなどはサイズが合わないと一日中不快です。

「絶対に今回だけしかやらない」という人以外は、買っておきましょう。

私が使っているおすすめアイテムは別記事にまとめました。ここにもリンクを貼っておきます。

【愛用ギア&アイテム】スノーボードの板から小物類まで、身につけるもの「スノーボード行く回数も増えてきたし、板とかブーツとかゴーグルとかグローブとかレンタルじゃなくて一式買い揃えたいなあ」 と思ってショッ...

 

▼ゴーグル

▼グローブ

▼ネックウォーマー

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AWSM

▼ソックス

ツアー付属の「レンタル無料券」は無料と思わない

学生さんなどがよく使う、レンタル付きのバスツアー。

「無料レンタル付き!」と書いてあるチケットが入っていますが、実際は、無料で付いてくるのは最低ランクの板。さらに年代物のヒモブーツにダサいウェアの際どいセットがデフォルトの店舗が多いです。

無料のつもりで全然お金を持ってきていなくて困っている学生さんを何組も見てきました。

板は身長マイナス15−20cm

一般的に【自分の身長マイナス15-20cm】といわれているのですが、この5cmの幅の中でもけっこう感覚が違ってきます。

  • 長めの板→スピードが出やすく、安定しやすい。当然少し重い。フリーラン向き
  • 短めの板→スピードが出にくく、小回りが効きやすい。当然少し軽い。グラトリ向き

簡単にいうとこんな感じ。

体重や脚力によっても向き不向きがあります。身長にたいして体重が重めの人(マッチョ男性など)は、長めの板のほうが安定します。逆に、全然力がなくて軽い女の子は、気持ち短めの板にしておいたほうが疲れません。

スタッフさんが身長を見て適切な長さを出してくれますが、忙しいと適当なこともあるので笑、希望があれば伝えてみましょう。

ゆるみはないか、スタンスはOKか確認する

繁忙シーズンのレンタルショップは忙しいです。万全の注意を払っているはずですが、毎日誰かが借りているものなので、ネジがゆるんでいたりずれていたりしないか自分でもチェックしましょう。

スタンスというのは、板に取り付けるビンディングの幅や角度。初心者なら無難に両足を斜めに少し開く感じにしておけばOK。

ときどき、両足が進行方向を向いている板が混ざっていたりします。この角度はスピードが出やすくなり初心者には扱いづらいので、調整してもらうといいです。

いざゲレンデへ。知らないと危険なこと

Snowboard risk 3

最初はリフトに乗るのも大恐怖ですね……。自分の身は自分で守るために最低限知っておくべきことを紹介します。

リーシュコード(流れ止め)を付ける

片足だけについているヒモのようなものがリーシュコード(流れ止め)です。ビンディングをはめた状態で、足に巻きつけてフックで止めます。万が一衝撃でビンディングが外れてしまっても、これがあれば板流れを防げます。

これまでに何度か、板だけがゲレンデを滑走している場面に遭遇したことがあります。スピードによっては当たったら命にかかわります。スノボ行って加害者になりたくないですよね。。

ちなみに万が一板を流してしまったら、恥ずかしがっている場合ではないので、大声で叫んで下の人たちに危険を伝えてください。

ハイバックを倒す

ハイバック=ビンディングのかかと側の部分。片足を板から外している状態のとき、ハイバックは必ず倒しておきます。

Snowboard gear 3

↑これがダメな状態

リフトに乗るときにハイバックを立てたままだと、引っかかってしまうことがあります。板がリフトに引きずられると、最悪骨折することも。。

リフトを降りたらとりあえず前進

リフトに乗っていて止まってしまうことがありますが、あれは9割方、初心者の人が降りるときに転んだためです。初めてでうまく降りれる人は少ないです。

スーッと滑っていければスムーズですが、それができなくても最低限引きずってても止まらず前に進むことを意識しましょう。

座り込むときは端っこに

初心者だと滑っている時間よりもゲレンデに座り込んでいる時間のほうが長いと思います。

そんなとき、せめてゲレンデの端っこに座るようにしましょう。真ん中で座っていると、狭いコースだと衝突されてしまいます。他の人が上手く避けてくれるとも限りません。

また、お友達同士でも横に並ばずに縦に並んで座り込むようにしましょう。

準備運動・事後運動を必ずする

どんなに滑れなくても、準備運動は必ずしましょう。普段使わない筋肉を使うので、軽くほぐしておくだけでもケガのリスクを減らせます。

また、ケガまではいかなくても変な角度にひねったりしてしまうことはよくあります。肉離れなどを起こさないためにも、体のいろんな部位を伸ばしておきましょう。

滑ったあとにもストレッチをしておくと、翌日の筋肉痛が多少軽くなります。

知ってると役立つスノーボードのこと

Snowboard risk 4

続いて、「知らないと危険」まではいかないけど、知ってると役立つ豆知識を。

ヒートテック以外のスポーツインナーを着る

東京や大阪などの都市部からの人は「雪山=しぬほど寒い」というイメージがあるので、中にスウェットやヒートテックを着込んでしまいます。

うまく滑れなかったとしても、ずっと動いていると汗をかきます。ヒートテックで汗をかくと悲惨です。インナーやタイツなどの中に着るものは、ちゃんとスポーツ用のものにしましょう。(スノーボード以外のスポーツにも使えます)

▼インナーのことはこの記事にも詳しく書きました

スノーボードのインナーはヒートテックでいいの?運動に適した機能性で選びましょうスノーボードのインナー、何着てますか? 「ウェアを着るのはわかるけど、下には何を着ればいいんだろう……?寒そうだし、ヒートテックと...

 

▼インナー

▼タイツ

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ゴーグルを上げて額につけない

ゴーグルを外しておでこのあたりに付けている人が多いですが、頭から発する熱と蒸気でゴーグルがくもるため、あまりやらないほうがいいです。一度くもるとその後もくもりやすくなってしまうので、外すなら頭から完全に外すようにしましょう。

板を室内から出してすぐにバンって置かない

板を持ってあたたかい室内から外に出て、その瞬間にソールを下にして雪面に板をバンッと置くのはやめましょう。温度差がありすぎると、雪がソール(裏面)にこびりついてしまうからです。

室内から出して5〜10分程度はソールを上にしたり立てかけたりして置き、板を温度に慣れさせましょう。

板を置くときは裏がえして

ゴーグルやグローブをはめるために板を雪面に置くときは、どんなに平らに見えるところでも必ず裏返して置きましょう。

立っている雪面が平らに思えても、地球の表面と平行であるとは限りません。滑っていってしまわないよう、ソールは上向きに。

ポンポン付きのニット帽は飛びやすい

よく女の子がかぶっているポンポン付きのニット帽ですが、ポンポンの重さがあるだけに、転んだ反動で帽子が外れやすい。尻もちついただけで外れてしまったりします。

初心者ほど転びやすいのに、初心者ほどポンポン帽をかぶっている……。

ヘルメットは誰でも付けていいもの

普通のゲレンデを見ていると、スノーボーダーでヘルメットを付けている人はあまり多くありません。どうやらヘルメットには完全二極化のイメージがあるようです。

  1. 転ぶことが多い初心者がつけるもの。かっこわるい
  2. スピードを出したりパークに入ったりする上級者がつけるもの。私にはまだ早い

どっちも間違いで、ヘルメットは誰もが付けていいものです。

どんな滑り方をしていても頭を打つ可能性はあります。上級者に言わせると、「ヘルメットしているほうが安心感があるので、大きい技にも挑戦できる」そうです。「上達したい」という気持ちがある人は全員付けるべきですね。

ゴーグル焼けに注意

晴れている日は、真っ白なゲレンデに太陽の日差しが反射します。

ゴーグルのところだけ白いまま顔の下半分が焼けてしまう「ゴーグル焼け」をしやすいので、日焼け止めを塗るかネックウォーマーなどで顔を隠しましょう。

本当に初心者だと、寒い雪山で「焼ける」という発想がまったくないようで、悲惨な顔になっている人をよく見ます。

まとめ:大自然と遊ぶならマナーをしっかり

以上です!

「スノーボードって思ったより危険だな。やめとこう」
「注意事項が多くてめんどくさいな」

と思うかもしれませんが、スノーボードは大自然をフィールドに遊びつくせる数少ないスポーツです。マナーとルールを守って、自然と仲良く楽しみましょう。

スノーボードは危険を伴うスポーツなのは事実なので、しっかり保険にも入っておきましょう。エポスカードに月430円〜付けられる「エポラク傷害保険(スキー・スノーボードコース)」がおすすめ。クレジットカード保険は持っているだけで海外旅行にも適用したりするので、便利です!

▼篭りたくなってきた人はこちらの記事もどうぞ。

スノーボード好きなら一度はやりたい“篭り”のすべて。冬は雪山で暮らそう!スノーボードをする目的で、がっつりスキー場付近に住み込み、働いたり働かなかったりしながら冬の間じゅう滑り倒す……。 こういうライフ...

 

▼各種アイテムの選び方についても参考に!
» 板より大事かも。初心者でも失敗しないスノーボードブーツの選び方
» スノーボードのインナーはヒートテックでいいの?運動に適した機能性で選びましょう

おわり。

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