【超基本】マーケティング、PR、広告、ブランディングの違い

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経営者さんなどから「PR頑張りたいんだよね〜」と言われて話を聞いてみると、こういうことが多い。

マーケティング、PR、広告、ブランディングって、「外部に向かっていい感じに宣伝とかしていく仕事?」となんとなくひとまとめにされがちです。

今回はイラストを拝借して、基本を簡単に説明します。

混同されるマーケティング、PR、広告、ブランディング

マーケティング、PR、広告、ブランディングがこんなにも混同されてしまう理由は、それが「外を向いている活動」として近い概念だから。

特に経営者から見れば、どれも「売上を伸ばすために必要な施策」という認識ですよね。後述しますが、どれもプロモーションという上位概念のもとにある施策のため、似たように捉えられてしまいます。

「マーケティングとブランディングってどう違うの?」
「広告会社とPR会社って一緒じゃないの?」
「PRって、要するに宣伝でしょ?」

よく聞くやつです。

海外(とくにアメリカ)では、Marketing / Public Relations / Advertisement / Brandingははっきりと違うものとして認識されています。LinkedInなどで外資系の求人を見れば一目瞭然。それぞれのポジションで求められているスキルや資質が書かれているので、気になる人は見てみてください。

でも、日本の求人を見ると、「マーケティング担当」といったくくりでマルチ人材を募集している…。業務内容はこの4つすべてにまたがっていてかなりハイレベルだったりします。4つのすべてでプロフェッショナルといえる人材はかなり少数だと思うのですが、果たして採用できているのか疑問です。。

日本では、記事広告に「PR」という表記がされていたり(「AD」にすればいいのに)、「マーケティングPR」という言葉があったり、伝統的な企業では「販売促進部」「宣伝広報部」のような名称ですべてを担っていたり担っていなかったりするので、言葉がよけいに誤解を招いてしまっているのかなと思います。

4つのイラストでわかりやすく

異業種の人でも理解できるように、下記のサイトにあるとってもわかりやすいイラストを使って説明します。

The difference between Marketing, PR, Advertising and Branding

マーケティング

企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。ーWikipediaより

マーケティングとは、簡単にいうと「売れる仕組みをつくること」

売れるためには、自社の商品やサービスの価値をまずは「伝える」必要があります。どんなメッセージで、誰に向かって情報を届ければわかってもらえるのかを考えて、目的に向かってダイレクトに発信していく手法が取られます。

マーケティングは「マーケット=市場」が語源であるとおり、市場分析や市場開拓という意味合いも強いです。4つのなかでも一番広い概念で、汎用性も高いといえます。

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このイラストでは、男性が女性に向かって「私はあなたにとって素晴らしい恋人だよ」と言っています。男性は目の前の女性に、自分を知ってもらいたい。知ったうえで、興味をもってもらいたい。

企業とターゲットに当てはめてみると、「こんな魅力的な商品だから、ぜひ買ってほしい。今後よいお付き合いをしていきましょう」という感じですね。

自分の魅力を自ら発信し、ターゲットに伝えていく。認知や興味喚起を目的とするのがマーケティングです。

PR(パブリック・リレーションズ)

国家・企業・団体などの組織体または個人が、一般大衆に対して情報を伝播したり情報や意見を受け入れること。自身に対して理解や信頼を獲得しようとする目的で行われる広報活動または宣伝活動を含む概念で、多くの場合頭文字のPR(ピーアール)と呼ばれる。ーWikipediaより

PR(パブリック・リレーションズ)とは、一般大衆を含むステークホルダーとよい関係をつくっていくための取り組みのこと。

「商品を買ってもらう」ことに限定せず、組織を取り巻いている個人・集団・社会との間で、適切なコミュニケーションを通して信頼関係を構築していくことを言います。そのための代表的な手法が示されているのが以下のイラストです。

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先ほどと同じ女性に向かって、今度は別の女性が「わたしを信じて。彼はあなたにとって素晴らしい恋人よ」と語りかけています。

第三者目線というやつです。

彼自信から直接伝えるのではなく、彼らの友人と思われる女性の視点を通して、彼がいかに魅力的であるかが伝えられています。

当事者ではない第三者を通すことで、本人から言われるのとは違った信頼感がありますよね。これを実際のPRにたとえると、自社の商品の魅力を第三者である「メディア」を介して発信することで、商品のよさが客観的に伝えられるということです。

広告

非人的メッセージの中に明示された広告主が所定の人々を対象にし、広告目的を達成するために行なう商品・サービスさらにはアイデア(考え方、方針、意見などを意味する)についての情報伝播活動であり、その情報は広告主の管理可能な広告媒体を通じて広告市場に流されるものである。ーWikipediaより

目に見えている広告は一番わかりやすい。

TVCM、新聞広告、電車の中吊り、駅ナカにあるポスター、WEB上のバナー広告、などなど。形態は様々ですが、お金を払うことで一定ボリュームのメッセージを確実に伝えられる手法です。

PRとは違って、広告はコントロールが可能。だけどそのぶん一方通行の発信しかできず、コミュニケーションの双方向性は薄いです。

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イラストではまた男性が発言者となり、「私はあなたにとって素晴らしい恋人だよ」というセリフを一方的に繰り返し伝えています。何度も言えばわかってもらえるだろう、メッセージの強さが大切だ、という感じですね。

広告は、人々の意思に関係なく、生活していれば目に飛び込んでくるものです。それも何度も何度も。CMで見たと思ったら駅にもポスターがある、電車にもデカデカと広告が。繰り返し見ると、最近これ話題なのかなーと気になってきますよね。こうやって刷り込んでいくことで、認知を広めていく手法です。

(ただ、個人的には、このイラストのセリフはもう少しひねったほうがいいかなと思います。しっかり練られたメッセージを刷り込んでいくのが広告なので、これじゃコピーライターなんのためにいるねん、て思いますよね)

ブランディング

ブランディング(英: branding)とは、ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ。ブランドとして認知されていないものをブランドに育て上げる、あるいはブランド構成要素を強化し、活性・維持管理していくこと。ーWikipediaより

ブランディングとは、マーケティングの一歩先。「売れる仕組み」がつくれたら、「売れ続けるための仕掛け」が必要ですよね。マーケティングとブランディングはセットで行われる必要があります。

既に買ってくれたお客様にロイヤル顧客になってもらうためには、「このブランドじゃなきゃダメなんだ、この商品は素晴らしいんだ」というイメージを焼き付けていくステップが大事になります。

ブランディングの語源は、「焼き付けられた」という意味の“burned”。これは昔々、どこの家の家畜かを見分けるために牛などに焼印を押していた習慣から来ています。じっくりと育て上げてから焼印を押すことで差別化し、唯一無二の商品にする。これがブランディングです。

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なんと、男性のアプローチの甲斐あって、先ほどの女性はすっかり男性の虜になったようです。これで立派な顧客です。

そのうえで、女性自ら「わたしはあなたが素晴らしい恋人だと理解しているわ」と言っています。このように言わせることができたら、ブランディングが成功している状態です。

マーケティングが「どう伝えるか」であるのに対し、ブランディングは「消費者にどう思ってもらうか」という相手ありきの概念です。しっかりと価値を認識してもらえれば、もうむやみに発信しなくても、長く愛し続けてもらえるのです。

マーケティング4PのなかのPromotionが上位概念?

マーケティングには4P(Product, Place, Price, Promotion)という概念があります。

  1. Product=製品。何を売るか、魅力的な商品かどうか。
  2. Place=流通。どんな経路や手段で届けるか。
  3. Price=価格。いくらで売るか。
  4. Promotion=販促。商品のことをどう知らせるか。

このなかの4. Promotionを上位概念として、その下位にPR・広告・ブランディングが含まれるという考え方があります。

これは統合型マーケティングコミュニケーション(IMC=Integrated Marketing Communication)という概念に基づくもので、従来のように各部門でバラバラに施策を立てるのではなく、統合的なマーケティング戦略のなかで一貫して行われるべきだ!という考え方。

冒頭にも書いたように、日本ではあまりこの概念が浸透していなくて、それぞれの部署がコミュニケーションを取らずに独自に動いている。。だから全体を見ている人がいないし、概念の違いについての理解も浸透していないのかな、という状態です。

違いを理解したうえで、ミックスして考えることが大事

マーケティング、PR、広告、ブランディングは、理想をいえばすべてが意味のある連動をして、統合的に組み立てられるのが一番いいです。たとえば、以下のような感じです。

「最近は女子高生の間で、左右違うソックスを履くのが流行っている」というマーケティング部が出した市場分析に基づいて、新しいソックスが開発された。

できあがった商品だけ見たら、ただの色違いのソックス。しかし、マーケティング視点であぶり出された市場動向と開発背景がわかっていたPR担当者は、「女子高生のソックス流行の推移」といったファクトデータにもとづいた報道文脈をつくり、ニュースとしてメディアに取り上げてもらうことに成功。

さらに、広告部主導で「友達とソックス交換をして、プレゼントに応募しよう!」というSNS連動型のキャンペーンを実施。当選した子たちが商品を使ってくれ、口コミで広めてくれたりすることで、「みんな使ってる!」とロイヤルティが向上した。

これはちょっと簡略化しすぎた例ですが、うまく連動させることでひとつひとつの施策もラクになっていきます。ブーストをかけあっていくようなイメージ。

問題は、この「統合型マーケティングコミュニケーション」を統率できる人材が全然いないことなんですよね。。ここまで読んでわかると思いますが、いろんな視点から物事を見られるハイパー人材じゃないと難しそうですよね。。。

でも、会社でこれらのことをやるなら部署間のコミュニケーションを密にするだけでも結構変わってくるので、ぜひ意識して見てください。おわり。