1年間、「ソーシャルアパートメント」という居住スタイルで生活していました。
「“シェアハウス”と“一人暮らし”のいいとこ取り」などと言われているソーシャルアパートメントですが、実際に住んでみたらどんな感じだったのか、リアルな感想を残しておきたいと思います。
結論、ソーシャルアパートメント暮らしは正解でした。
ちょっと住んでみたい人、どんな暮らしか知りたい人はぜひ参考にどうぞ!
Contents
ソーシャルアパートメントとは?
ソーシャルアパートメントとは、株式会社グローバルエージェンツが運営する新しい住まい方です。
ふつうの一人暮らしのようなお部屋(1LDK・1DK・1K・1BR)
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ラウンジ、キッチン、ワーキングルームなどの共有部
という形態で、共有スペースで住人間の交流が楽しめたりするのが特徴です。
友達を連れてくるのも自由なので、24時間使えるラウンジでオープンに人の輪を広げていけることを売りにしています。公式HPには「毎日がドラマのよう」と書いてありました笑 (本当にドラマのようかどうかも後半に書きます)
ただし、自分の部屋ではしっかりプライベート空間が確保されているのも特徴です。
個室のあるシェアハウスでも、住人同士の距離が近すぎたりしてストレスになってしまうこともよくあります。その点ソーシャルアパートメントでは、ほどよい距離感を保てるよういろいろな仕組みが整っているのも流行っている理由のひとつです。
日本ではまだ「シェアハウス」というと、
- 節約のために若い人が住むところ
- 住人たちが仲良くて雑多な感じ
- シェアだから自由に使えない不便さもある
みたいなイメージがあると思いますが、ソーシャルアパートメントは20代後半〜30代前半がボリュームゾーンで、家賃もそこまで安くはありません。「大人の社交場」という感じ。
流行りの「コリビング(Co-Living)」スタイル
最近は海外でも、「コリビング(Co-Living)」といわれてこのようなスタイルが流行っていますね。
普通の物件をシェアするタイプのシェアハウスとは違って、とにかく施設が大きく豪華なのがコリビングの特徴。施設内でヨガや映画鑑賞会のようなイベントも行われていたり。
「合理的なミニマリストであり、コミュニティを重視する」というミレニアル世代にあっている生活なのかもしれません。
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ちなみに、私が住んでいた1年の間にも新しい物件が次々にでき、勢いが止まりませんでした。まだまだニーズは高まっています。
特に大人の空間を意識している「ネイバーズ目黒」
カフェ&ランドリー併設の「ワールドネイバーズ清澄白河」
大阪にできた新築物件「ターミナルズ茨木」
施設内に映画館があることで話題になった「FILMS和光」
などなど。コンセプトが違うのも面白いですね。コリビングスタイルは日本ではこれからなのかもしれません。
なぜソーシャルアパートメントに住んだのか
私自身がソーシャルアパートメントに住むことにした理由も、先ほどの記事に書いてあったようなミレニアル世代的な価値観からです。
ひとり暮らしよりも合理的
「なるべくモノを所有したくない、所有=負債」という価値観をもっているので、キッチン・水回りがシェアなのは魅力でした。
ひとり暮らしは効率が悪いですよね……。自分専用のバスルーム・トイレ・キッチンがあり、自分が使ったぶんは自分で掃除。洗濯機とかも、週に数回しか使わないのに自分専用のを持っているなんて。。むだ。。
だけどシェアハウスは疲れる
でもシェアハウスはなあ。。シェアハウスにも住んでいたことがありますが、掃除が当番制だったりします。さすがに他の人が使ったトイレとか掃除するのは絶対イヤ。住民同士で決めたルールで揉めることもありました。
その点、ソーシャルアパートメント管理会社が厳重にルールを設定しているので、住人同士で勝手に揉めることは少ないです。しかもハウスキーパーさんが週5くらいで入ってくれるので掃除トラブルもなし。
ほどよい距離も保たれるので、シェアハウスのウェットな交流が苦手な私にはちょうどよく感じました。
家で仕事するフリーランスには最適
それから、フリーランスなのでカフェで仕事することが多く、カフェ代がバカにならないなーと思っていたところで。家にこもっていると発狂しそうになるけど、共有ラウンジにいけば広々空間で気分転換できることもポイントでした。
それまでは拠点がなかったので、住んでしばらくのころに「家っていいなあ」と思った記事がこちらです。あわせてどうぞ。
住んで感じたソーシャルアパートメントのメリット
基本的にはメリットのほうが多かったです。ソーシャルアパートメントのよかったところを紹介します。
最新設備が充実している
シェアだからこそ、個人では買わないような設備が使えるのがよかったです。
個人的に一番よかったのは、最新のドラム式洗濯乾燥機。ラクすぎて、ふつうの洗濯機に戻れなくなりました。
一面鏡張りのスタジオや、ラウンジには大きなテレビがありました。Netflixも入ってるし、Nintendo Switchみたいなゲーム機器も置いてある。ビリヤード台もあったので、遊びには困りませんね。
水光熱費とWi-Fiが込み!
家賃のなかに水光熱費とWi-Fiが含まれています!
夏は冷房、冬は暖房。電気代を見て「あ、今月高かったなあ」とか気にしながら過ごすのって地味にストレスですよね。気兼ねなく使えるので健康にもよいです。Wi-Fiも家のなかに複数飛んでいて、夜は少し遅くなりますが問題ない程度でした。
電気・ガス・水道・インターネットをふつうに契約すると1〜2万はしてしまうので、多少高く見える家賃も逆にトータルで考えれば安いかなという感じです。
広々使えるキッチン
キッチンがとにかく広い!3つ口IHコンロのアイランド型キッチンが数台あります。
シンクが狭いと洗い物もストレスですが、広々使えるのでラクでした。フライパンや鍋、包丁まな板などの基本的な調理器具はもちろん、ル・クルーゼのお鍋とかココットとか、自分では買わないようなものも揃っています。
オーブンもあるので、お菓子づくりとかもできる。料理好きの人にはとてもいい環境です!
ラウンジとワーキングルームのある生活
ラウンジとワーキングルームが最高でした。
たくさんの人が住んでいるはずでしたが、やっぱり会社勤めしている人が多いのか、平日の昼間はガラーンとして人がいませんでした。ひろーいスペースがほぼ貸し切り。
もちろん電源もWi-Fiもあり、自分の部屋にも階段を上がるだけで戻れて、ちょっとコーヒーを入れたりすることもできます。集中するには最高の環境でした。
ハウスキーパーさん週5!水回り掃除からの解放
管理会社が雇っているハウスキーパーさんが、平日の午前中に清掃に入ってくれます。
個室以外のすべてのスペース(バストイレ・洗面・キッチン・ラウンジ・その他の部屋・廊下や階段)をすべてキレイにしてくれるので、衛生面でストレスを感じることはありません。
トイレットペーパーやスポンジ、洗剤などのアメニティ系も毎日補充してくれます。これらの補充だけでも時間とお金コストがまあまあかかるので、いいですよね。
隣人とのほどよい距離感
住人同士は、けっこう親密に仲良くしている人とドライに暮らしている人の割合が半々くらいな感じでした。
私は生活重視であまり交流するタイプではありませんでしたが、近くの部屋の人たちは名前・仕事を知っていて、ときどき話すくらいの関係でした。
いざというときには助け合えると思うので、地震などの災害時を考えるとリスクヘッジになりますよね。防犯面でも心強かったかなと思います。
家から出ずにかるく身体を動かせる
在宅で仕事をしていると、1日中部屋から出なくて気が滅入ったりしてきます。
ふつうならそんなとき、ちょっと身支度をしてコンビニに行ったりすると思いますが、ソーシャルアパートメント内は広いのでぐるっと歩くだけで気分転換になります。
1日中集中して書いたりしたい日は、自室→ワーキングルーム→ラウンジ→自室と点々として仕事したりしていました笑
家具家電の譲り合い、お土産やおすそ分けの文化
引っ越してしまう住人がLINEグループで家具家電の引き取り手を募集していました。
これはとてもいいですね!何十人もいれば、上京してきたばかりで全然家具がない人もいるはずです。一方で、大型家具は処分するだけでもお金がかかる。。
私も引っ越すときに家具家電を処分したくて、たくさん引き取ってもらいました。本当に助かるし喜んでもらえるし、最高。
普段から野菜などの食料のおすそ分けや、旅行に行ってきたらお土産をラウンジに置いておく文化もありました。地味にあたたかくて、いいと思います。
これは残念、、ソーシャルアパートメントのデメリット
おおむね満足していましたが、デメリットも正直に書いておきますね。
水圧が弱い…お風呂は慣れの問題
ほとんどは社宅だった建物などをリノベしてつくられているので、シャワーの水圧が弱かったです。
物件によるかと思いましたが、他のソーシャルアパートメントに住んでいた人も水圧については文句を言っていました。わりと多いみたいです。
ですが、これは慣れの問題ですね。最初はちょっと焦ったけど、そんなに困ることはありませんでした。不安なら内見のときに確認させてもらいましょう。
休日のランドリールームがカオス
お風呂やトイレなどで「混んでいて入れない」ということはほぼなかったのですが、ランドリールームだけは少し苦労しました。
お風呂やトイレと違って、洗濯は休日にまとめてする人が多いので、やっぱり土日に混雑します。洗濯が終わってもなかなか回収に来ない人がいるので、終わった洗濯物が洗濯機の上に山積みになっていたりしてカオスでした。
私は平日にも余裕があったので土日を避ければ巻き込まれることはありませんでしたが、、「絶対土日しか洗濯できない!」という人は苦労するかもしれません。
清掃が入らないときはツライ
基本は平日5日に清掃が入ってくれますが、祝日やGW・年末年始などはカレンダーどおり清掃がお休みになります。
その間は住人たちでゴミ捨てなどをやる必要がありますが、まあなかなか普段と違うことはやらないですよね。。結果的にゴミ箱が溢れたり、シャワーが詰まったり、ちょっとしんどいです。ハウスキーパーさんのありがたみが身に染みる……。
たまに騒音に悩まされる
ラウンジで飲み会が開かれていたり、イベント(ハロウィンなど)の日は、若干うるさくなります。
そんなに頻繁ではなかったので我慢できる程度でしたけどね。むしろワイワイ騒ぐ側の人や、静寂よりも少し音があるほうが落ち着く人なら大丈夫でしょう。音楽でも聞いていればすぐにやみます。
モノ関連のやりとりが多い
住人のほとんどが入っているLINEグループがあり、何かあればそこでやりとりするのですが……。置いておいたモノがなくなったとか、冷蔵庫の中身が取られたとかのやりとりはまあまあ多かったです。
あと、
「カギ忘れたので誰か玄関開けてくれませんか?」
「誰か代わりに宅配受け取ってくれませんか?」
のやりとりも毎日ありました。快く助け合っている感じでしたが、個人的にはいちいち全体LINEに入るのはちょっと迷惑で、カギってそんな忘れる?(一人暮らしだったらどうするの?)、宅配便来る時間って指定できるよね?て感じでしたね。。私は頼んだことも応じたこともなかったです。
まあ、私が冷めているだけかもしれません。困ったときは助け合いです。
人間関係のトラブルがやっぱりある
ひとつ屋根の下で何十人も暮らしていれば、そりゃあ人間関係がこじれることもありますよね。
まあそれは仕方のないことで、人と向き合っていれば当然のことです。ソーシャルアパートメントのデメリットというわけではないと思います。
ですが、落ち着く場所であるはずの家に帰ってまで人間トラブルとかご免なので、巻き込まれないのが一番ですね。
ざっくりとソーシャルアパートメント暮らしの感想
最後に、メリットともデメリットとも分けづらいただの感想を。
心配だったけど意外と大丈夫だったことは、
- 水回り・ラウンジの混雑→意外と空いてる
- 冷蔵庫が部屋のみ→カゴで持っていけば大丈夫
- 部屋に水回りがない→工夫次第で慣れる
- 連れ込みルール→案外ゆるい
- 人付き合い→いい意味でドライで気楽
あたりです。
平均年齢は28歳くらいだったらしく、下は18歳くらいの学生から50代までいました。わりと落ち着いた雰囲気でよかったです。
仕事は人それぞれだと思いますが、フリーランスの割合は多かったように思います。平日の昼間、ラウンジで作業やオンラインミーティングをしている人が何人かいました。
住人の層については、住む物件やエリアでも全然違うと思います。
ただ、過剰なテラスハウス感を期待していると、そうでもないかなーと思います。やっぱりふつうにみんな生活しているわけなので。アットホームというかカジュアルというか、生活感はけっこうあります。キラキラしてないです笑
結論:シェアハウスよりも断然おすすめ
結論、ソーシャルアパートメントは今の時代に合った素晴らしい居住スタイルだと感じました。私はタイミングの関係で1年で出てしまいましたが、気に入って4年も5年も住んでいる人もいましたよ。
新しい出会いを求めて、違うソーシャルアパートメントに引っ越す人などもいるようです。気に入る人は相当気にいるかと。
聞いた話ですが、逆に合わずに出ていってしまう人はネガティブな理由というよりも、
「ここにいると楽しくてダラダラ遊んでしまう。みんなに甘えてしまう。もっと自分を追い込んで、成長しないとダメだ!」
みたいな意識高い動機の人もけっこういるとか。素敵じゃないですか。
ソーシャルアパートメント、人気物件は空きが出るのを待っている人もいるくらいらしいので、気になったらまずは内見行ってみましょう!
おわり。