最近、新卒で「広報」になりたい就活女子が増えているらしいです。
ちょっと前までは、社内報をコツコツ作る……みたいな地味〜なオフィスワーク系と思われていた「広報」ですが、最近は「外に向けて発信していくキラキラ華やかな仕事」という印象があるようです。
SNSが当たり前になったことで、「広報」という職種の見え方も変わったんですかね。
キラキラ広報に憧れてこのページを見てくれた学生さんには残酷な現実ですが、「広報」は新卒で配属されるのはちょっと難しい仕事です。
私は6年ほど広報PR業界にいますが、「新卒広報」にはあまり会ったことがない……。もちろん例外はありますが、その理由や背景をお話します。
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「広報」は女子大生の憧れの職種に
「広報」という仕事に「憧れ」というキーワードがついてくるのは、こんなイメージがあるからです。
- 会社の顔として目立つ仕事
- キラキラ華やかな女性がなるイメージ
- 広報自身がメディアに出ることもある
- 実名顔出しでTwitter発信している人が多い
- その存在はもはや会社公認インフルエンサー
実際に現場で仕事をしているとこんなにキレイなものではないのですが、上記のような印象をもっている若い人にけっこう出会います。
広報PRに女性が多いのはなぜ?「美人広報」「キラキラ広報」の真相という記事にも書いたように、「広報」が女性に向いている職種なのはたしかに事実。
しかも不思議なことに、才色兼備な美人広報さんが多いです。女子大生が憧れる理由もわかる気がします。
だけど、それはあくまで外向きの話。内情はもうちょっとシビアだったりします。
実は泥臭い、広報のリアルな仕事内容
キラキラ華やかに感じるのは、表面しか見ていないから。実は広報はとっても泥臭く、地道な努力が求められる仕事です。
- 外回りが多く、メディアなどを足で訪問しまくる
- 会食や交流会などで夜に動くことも多々ある
- かと思えば、篭って文章をひたすら書く日もある
- 1件1件、1人1人とのコミュニケーションが本当に大事
- そういう地道な動きがなかなか他職種に理解されづらい
伝え方を考えてプレスリリースを書き、1件1件コンタクトを取り、相手にされなくてもあの手この手と企画を練り直して、アタックを続けていったりします。
しかも広報は1社につきあまり人数が多くなく、「ひとり広報」の会社もたくさんあるんです。そんな現役広報さんと話していると、孤独にがんばる人同士の共通の悩みが多い……。
むやみな外注は逆効果。広報体制を内製化することの大切さという記事でも書きましたが、社内でも社内でも細やかに気配りしながら動く必要がある、地道でタフな仕事。
その地道さについては、たとえば【ド素人向け】テレビ取材を受けるには?裏ルートはほぼありませんなんかを見てもらうといいのかも。
「広報」は新卒には難しい!
これは脅しでもなんでもなく、「広報」という職種に新卒でなるのはかなり難しいというのが私個人の意見です。
もちろん不可能なことはないですし、会社によってはなれるのかもしれません。でも、キャリアステップを考えるとあまりおすすめはできないなと思います。
未経験から広報に転職するのは可能。最短ルートを紹介しますで書いたように、広報業務の経験こそなくてもいいのですが、ビジネス経験すらない新卒だとちょっと厳しいかも。
理由をいろいろと述べます。
社内事情にかなり詳しくないと勤まらない
広報という立場上、誰よりもその会社に詳しくならないといけないので、社歴があったほうが有利です。
- 会社の歴史・文化
- 経営状況や数字データ
- 社員1人ひとりのこと
など、あらゆる情報がネタになります。一生懸命覚えるのもいいけど、感覚的に理解するにはある程度の時間も必要。
特に大きい企業だと、上記のようなことっていちいち教わるようなものでもないので、動くに動けない実りの薄いファーストキャリアになってしまうかも。
相手ありきの仕事なので、前提知識がないと切り開いていきづらいです。
責任が重く、失敗したときのリスクが大きい
記者会見を開いたり、有事の際にリスクマネジメントを行ったりすることも広報の仕事です。
「会社のことをアピール!」のような表面だけで取られることがあるけど、表に出ないことほど企業のレピュテーションを左右する。情報発信にしても、最近は常に炎上リスクと隣合わせ。なにかあったときの「火消し」役は、本当に責任重大……。
ブランド毀損の恐れもあり、対応を間違えると会社にダメージを与えかねません。
経営と結びつく部分も多く、経営企画段階から入るべき社長室に近いポジションだったりもします。早ければ早いほどいい!PRパーソンをプロジェクトの上流から入れる意味でもその理由は説明しました。
正直、そんなコアな部分を新卒に任せる企業って、そもそも経営判断は大丈夫かなと心配になってしまいます。。
専門性が高い仕事内容
上記にも関連しますが、そういった責任の重さや業務内容の難しさから、プロがコンサルしてくれる「PR会社」も存在するような業務です。
表面上は発信ばかりに見えるかもだけど、メディアの方々と接していくのも大きな役割。
テレビ局や新聞社といった「報道をつくる」人たちと仕事をすることになるので、ビジネスマナーや大人の対応も求められます。
新卒にはちょっとハードな、専門性の高い業務です。。
未経験から「新卒広報」を目指す方法
いろいろと希望をへし折ることを書いてしまいましたが、かなり厳しいよというだけで、絶対に無理というわけではありません。
「新卒広報」を目指すいくつかの方法をシェアします。
知り合い経由などで応募する
なかなか求人サイトからは厳しいので、、知り合い経由で探してみましょう。
広報人材は慢性的に足りていないので、小さい会社や新しい考え方の会社なら歓迎してくれるかもしれません。自分のことをうまく伝えて、「この会社の広報は自分にしかできない!」といかに思わせるかが勝負だと思います。
もしくは本業とは別に、副業や週末インターンなどで広報アシスタントからはじめてみるとか。たとえば文章を書くのが得意なら、プレスリリースを書くといった単発の業務から任せてもらえるかもしれませんね。
熱意があればいけるかもしれないし、何よりビジョンマッチ度が高ければ可能性はあります。
まずはPR会社で修行する
少し違うルートにはなりますが、、企業広報ではなくPR会社を目指すのもおすすめです。
PR会社というのは、複数の企業をコンサルティングするようなかたちで、1人がいろいろな会社のPR戦略から広報業務までを担当できるスタイル。
PR会社への転職は、むしろ未経験のほうがいいのかもという記事にも書いたのですが、PR会社は経験がなくても歓迎されることがあります。大手なら新卒採用を毎年行っているので、最初から広報を目指すよりは可能性があります。
企業広報になったときに活きてくることが身につくので、まずは修行するのもありかと思います。
営業などで成果を出してから社内異動
働きたい会社や業界がはっきりしていれば、まずは別職種で入社するのもいいですね。
どのみち広報になったら、その会社のことをよく知っていることがアドバンテージになるので、営業とかで自社製品を売りまくっていれば知識がプラスになるはず。
「元は他職種だったけど、いきなり抜擢されて広報をやることになりました!」
という人、実は多いんです。ゼロから広報を採用するより、会社のことをよく知っていてすでに関係性もできている人を抜擢するほうが上手くいきやすいから。
少々博打的ですが、新卒切符をうまく使って大手広報を目指すのも手かと思います。
PR会社や事業会社に就職するなら、まずはいろいろと求人を見てみましょう。
シンアド
広告・PR・デジタル業界に特化していて、他にない求人も見つかったりするので特におすすめ。〜35歳くらいまでの若手に強いです。
リクルートエージェント
おなじみのリクルート。大手だけあって求人数は多く、間違いない求人サイト。全体感をつかむためにも面談はしてみたほうがいいかも。
DODA
こちらも大手・優良企業が多いです。広報職の求人も多数あります。アドバイスやカウンセリングが丁寧。
▼広報系キャリアについてはこちらの記事もどうぞ。
未経験から広報に転職するのは可能。最短ルートを紹介します
広報PRに女性が多いのはなぜ?「美人広報」「キラキラ広報」の真相
広報に向いている人ってどんな人?役割・資質・スキルなど
おわり。