Public Relations

早ければ早いほどいい!PRパーソンをプロジェクトの上流から入れる意味

「今度、新しい商品を発売することになりまして。今まさに開発を進めていて、こういう商品になる予定です。何日ごろには出来上がるので、そのタイミングでPRを積極的に仕掛けていきたいんですよね」

こういう依頼がときどきあります。

なにがいけないの?と思った人も多いと思いますが、「PRパーソンをプロジェクトに入れるタイミング」は意外と一般の人にはわからないことだったりします。

世の中に広めたいタイミングから逆算して、もっともっと前、究極はプロジェクトや企画がスタートする初期段階からPRの専門家に入ってもらうのがおすすめです。

想いを込めて完成した商品を広めたいと思うのは当然

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一生懸命開発した商品やサービスが、メディアにたくさん取り上げられて注目を浴びてほしい!と思うのは当然です。自分の開発した商品がテレビに出たり、雑誌にのったりしたら嬉しいに決まっています。

「良いものは放っておいても見つけられるし勝手に売れていく」

という人もいますが、本当にそうでしょうか……?

今の時代、ただ良いものを作ったからといってホイホイ売れていくことはかなり稀です。メディアで紹介されたり、芸能人が愛用していると公言したり、SNSでバズったりしないとなかなか目に止まらないのが現実です。

そこで、「PRのチカラで広めちゃってくださいー!」というオーダーが出てくるのです。しかし上記のようにモノを世の中に広めるためためには、完成したタイミングで言われても時既に遅し……。残念な気持ちになりつつ、時間軸の捉え方がいかに認知されていないかを痛感することになります。

「想いの丈が詰まっていること」は、残念ながらメディアにとって価値がない

Pr timing 2

残酷なことを言いますが、

  • 一生懸命心を込めて作った商品
  • 長年かけた渾身の傑作
  • 社員たちの努力と汗と涙の結晶

こういったことは、メディアにとっては何の価値もありません。

なぜなら、これらはすべて「つくり手側の問題でしかない、独りよがりな事実」だから。メディアが価値を届けるのは「社会」です。社会にとって意味のある、今届けるべき情報だと判断されなければ、取り上げられることはありえません。

一生懸命作ることは大事ですが、その一生懸命さを真っ直ぐに伝えたところでメディアの興味を引くことはできない。となると、「伝え方とタイミング」をアレンジして、価値ある情報に仕立て上げる必要がでてきます。

自分本位の考えから、社会本位の考え方に切り替えましょう。そうすれば、PRパーソンを企画の上流から入れていくことがいかに大事かわかるはず。

出来上がってからでは、PRを始めるには遅すぎる

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ではPRを始めるタイミングとして、いつが適切なのでしょうか?

答えは、「早ければ早いほどいい」です。「商品が出来上がったタイミング」は最も遅いと思ってください。

以下の図をご覧ください。

pr-timing-7

従来の広報・PR活動(上段)は、

とりあえず製品を作る
→広告を打ち、セールスプロモーションを実行
→営業力で売りにいく
→余力があったらPRも頑張ろう

という感じでした。

この状態だと、PRを強化したければ最後の段階で今まで以上にお金や労力をかければいいのかなと思ってしまいますよね。

ですが、本来の理想的な広報・PRの姿は、

PR発想を取り入れて事業構想・製品企画をする
→PR戦略から落とし込みコミュニケーションを行う
→PR戦略に基づいて広告・プロモーションを展開する
→営業活動をPRの成果でサポートする

というように、PRの視点をプロジェクトの川上から入れていくことで、広告・SPの作用にもレバレッジを効かせられ、営業もエンパワーメントすることができるのです。

これが「PRを入れるのは早ければ早いほどよい」理由です。

メディアのスケジュールも考えるべき

また、現実的なメディアの進行スケジュールから考えても明らかです。

たとえば雑誌の場合、4月に発売される号に掲載されたいと思ったら、2月頃には情報を入れておかないと間に合いません。

テレビや新聞においても、情報をもらってから企画を考えて、事前調査をして取材に望んで編集してという期間を考えると、商品が出来上がってからのアプローチでは遅いのです。

発売時にメディア注目度を最大限に高めるためには、事前の仕込みが不可欠です。露出を最大化させたい時期から逆算して、事業構想段階からPR発想を入れて考えていきましょう。

相手の気持ちを考えて、社会との接点をつくり出すのがPR

Pr timing 1

本来であれば、その商品をつくるコンセプトの段階からPR視点が入るべきという話をしました。ちょっとイメージがしづらいと思うので具体例をあげて説明します。

たとえば、新しいカップ麺をつくるとします。

【A】

  • 独自のフリーズドライ製法で、本格的な味に仕上げたカップ麺
  • 30年かけて開発したこだわり熟成スープのカップ麺

【B】

  • 予約が取れないお店の○○シェフが監修したカップ麺
  • 今海外で話題のスーパーフード「タイガーナッツ」を使ったカップ麺
  • 1日1000食売り上げる超話題ラーメン店の味を再現したカップ麺

どちらが「PR発想を取り入れた」カップ麺でしょうか?

美味しさだけで勝負したら【A】かもしれないけど、メディアに取り上げられて話題になりそうなのは明らかに【B】ですよね。「社会との接点をつくる」とはこういうことです。

社会で話題になっている証拠や背景を、商品の企画段階から取り入れていくやりかたです。「企画の上流からPR発想を入れていく」のはこういうことで、社会に向けてアレンジされた情報には、何年熟成させたスープでも絶対に敵わないのです……。

PRを仕掛けたいなら今!今すぐPRパーソンを入れましょう

Pr timing 3

「まだ企画内容が固まってないから……」
「情報が渡せる段階になってから、PRの人に声をかけよう」

こういう理由でPRパーソンに声をかけずにいるのは、大きな機会損失です。

ベストなタイミングは常に今!社内に広報部隊がある人は、一度広報との合同ミーティングをやってみましょう。どのタイミングで何をしておけばいいのか、思わぬ発見があるかもしれません。

完全に企画が出来上がってから「プレスリリース出しといて!」だけは絶対にやめてあげてくださいね。よろしくお願いします。

ご相談があればいつでも受け付けているので、お問合わせからお気軽にご連絡ください〜

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おわり。

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